インターナショナルスクールやプリスクールを見学したいものの、何を確認すればよいか分からず、不安を感じている方もいるでしょう。
スクールによって、英語を使う時間、教育方針、職員体制、保育内容、料金、保護者への連絡方法などは異なります。パンフレットや公式サイトだけでは分からない点を確認できることが、見学の大きな目的です。
この記事では、見学前の準備と、当日に確認したい8つのチェックポイントを解説します。
なお、インターナショナルスクールやプリスクールは、施設によって法的な位置づけや運営形態が異なります。この記事では、就学前の子どもが通う英語教育・保育施設をまとめて「スクール」と表記します。
インターナショナルスクール・プリスクールの見学前に準備すること
見学では多くの説明を受けるため、事前準備をしていないと、本当に確認したかったことを聞き忘れてしまう場合があります。
限られた見学時間を有効に使うために、家庭の希望と質問事項を整理しておきましょう。
家庭の教育方針と優先順位を整理する
スクールに求めることは、家庭によって異なります。
たとえば、次のような希望が考えられます。
- 日常的に英語に触れられる環境を希望している
- 遊びを中心にのびのび過ごしてほしい
- 少人数の環境を希望している
- 日本語でのサポートも受けられる環境がよい
- 保護者への連絡が充実しているスクールを選びたい
- 通園しやすさや預かり時間を重視したい
すべての条件を満たすスクールが見つかるとは限りません。見学前に「特に重視すること」を3つ程度に絞っておくと、比較しやすくなります。
質問リストを作っておく
見学当日は、子どもの様子を見ながら担当者の説明を聞くこともあり、質問を忘れてしまう場合があります。
次のような質問を、紙やスマートフォンにまとめておくと便利です。
- 1日のうち、英語はどのような場面で使われていますか
- 英語に慣れていない子どもへのサポートはありますか
- 職員の資格や研修体制について教えてもらえますか
- 先生1人に対して、子どもは何人程度ですか
- 1日のスケジュールはどのようになっていますか
- 月謝以外に必要な費用はありますか
- 保護者への連絡はどのような方法で行われますか
- けがや体調不良が起きたときは、どのように対応しますか
見学できる範囲を事前に確認する
スクールによって、説明会、個別相談、施設見学、体験参加など、実施している内容は異なります。
見学を申し込む際は、実際の活動を見られるのか、教室や園庭を確認できるのか、子どもの同伴が可能なのかを確認しておきましょう。
個人情報や安全管理の都合により、保育中の教室を見学できない場合もあります。見学できない部分については、写真や資料、担当者の説明などで補えるかを確認することが大切です。
見学当日に確認したい8つのチェックポイント
ここからは、インターナショナルスクールやプリスクールの見学当日に確認したい8つの項目を解説します。
1.教育方針と実際の英語環境
最初に確認したいのは、スクールの教育方針と、日常の中で英語がどのように使われているかです。
英語を使う時間が長ければ、必ずしも子どもに合うとは限りません。英語使用の方針と、子どもへのサポート方法をあわせて確認しましょう。
英語が使われる場面を確認する
見学中は、先生が子どもに話しかける場面や、活動の説明、食事、着替え、片付けなどで、どの言語が使われているかを観察します。
スクールによっては、原則として英語で過ごす場合もあれば、英語活動の時間を決めている場合もあります。日本語を必要に応じて併用するスクールもあります。
単に英語の量を見るのではなく、次の点を確認することが大切です。
- どの時間帯や活動で英語を使っているか
- 子どもの年齢や英語経験に応じた対応があるか
- 子どもが理解できないときに、どのように伝えているか
- 英語を無理に話させるような対応になっていないか
英語に慣れていない子どもへの対応を聞く
英語に触れた経験が少ない子どもの場合、入園当初のサポート方法も確認しておきましょう。
ジェスチャー、写真、絵カード、実物などを使って伝える方法や、日本語を話せるスタッフが必要に応じて支援する方法などがあります。
サポートの方法はスクールによって異なるため、「英語が分からず困っているときは、どのように対応しますか」と具体的に聞くことが大切です。
2.職員体制・資格・役割分担
外国人講師や日本人スタッフが在籍しているかだけでなく、それぞれがどのような役割を担当しているかを確認します。
講師の国籍だけで、英語力や指導力、保育の質を判断することはできません。資格、経験、研修内容、子どもへの関わり方などを総合的に見る必要があります。
先生の経験や研修体制を確認する
見学時には、次のような点を質問してみましょう。
- 幼児教育や保育に関する資格を持つ職員がいるか
- 幼児への指導経験がどの程度あるか
- 子どもの発達や安全管理に関する研修を行っているか
- 救命講習や緊急時対応の研修を受けているか
- 職員同士で子どもの情報をどのように共有しているか
施設の運営形態によって、必要とされる資格や職員配置の基準は異なります。資格の有無だけでなく、スクール全体として子どもを支える体制があるかを確認しましょう。
外国人講師と日本人スタッフの連携を見る
外国人講師と日本人スタッフが在籍している場合は、役割分担と連携方法を確認します。
英語活動、生活面の支援、保護者対応、体調管理などを誰が担当しているのかが分かると、入園後の様子をイメージしやすくなります。
特定の役割分担がすべての子どもに適しているわけではありません。スクールの方針と子どもの状況が合っているかを確認することが大切です。
3.先生と子どもの関わり方
見学では、先生が子どもにどのように接しているかも確認します。
ただし、短時間の見学だけでは普段の様子をすべて把握できません。見学中の観察と担当者への質問を組み合わせて判断しましょう。
子どもへの声かけを観察する
先生が子どもの話を聞いているか、年齢や理解度に応じた言葉を使っているかを確認します。
活動の切り替え時に一方的に急かすのではなく、次に何をするのかを分かりやすく伝えているかもポイントです。
また、「最後まで片付けられたね」など、子どもの行動を具体的に伝える声かけがあるかも見てみましょう。
困っている子どもへの対応を見る
泣いている子どもや活動に参加できずにいる子どもがいた場合は、先生がどのように対応しているかを確認します。
子どもの気持ちや状況を確かめ、必要に応じて落ち着ける場所を用意するなど、一人ひとりの状態に合わせているかがポイントです。
見学中の一場面だけでは判断しにくい場合は、「子どもが活動に参加したくないときは、どのように対応していますか」と質問してみましょう。
4.子どもたちの様子とクラスの雰囲気
在園している子どもたちの様子も、スクールを選ぶ際の判断材料になります。
ただし、子どもの表情や行動は、その日の体調、活動内容、時間帯などにも左右されます。笑顔の多さだけでスクールの良し悪しを判断しないことが大切です。
子どもがそれぞれのペースで過ごせているかを見る
全員が同じ活動をしているかだけでなく、一人で遊ぶ子どもや、活動を見ている子どもにも居場所があるかを確認します。
活発に遊ぶ子どもだけでなく、静かに過ごしたい子どもにも配慮されているかを見ると、スクールの保育方針が分かりやすくなります。
見学に同行した子どもの反応を見る
子どもを連れて見学できる場合は、教室や先生、遊具などにどのような反応を示すかを見てみましょう。
ただし、初めての場所で緊張したり、保護者から離れられなかったりすることは珍しくありません。見学当日の反応だけで、スクールとの相性を決める必要はありません。
子どもの反応は、家庭の希望、通園条件、教育方針などとあわせて検討する材料のひとつとして扱いましょう。
使用言語と年齢構成を確認する
クラス内で子ども同士がどのような言語を使っているか、同年齢保育か異年齢保育かを確認します。
国籍だけでは、子どもの使用言語や英語経験を判断できません。「在園児の国籍」ではなく、実際に使われている言語や、子ども同士の交流方法を確認することが大切です。
5.1日の流れと活動内容
入園後の生活をイメージするために、登園から降園までのスケジュールを確認します。
英語活動だけでなく、自由遊び、食事、昼寝、屋外活動、身支度などを含め、子どもが無理なく過ごせる流れになっているかを見てみましょう。
自由遊びと先生が進める活動のバランスを見る
子どもが自分で遊びを選ぶ時間と、先生が内容を決めて進める活動の時間がどのように組み合わされているかを確認します。
どちらか一方が多ければよいというものではありません。スクールの教育方針と、子どもの性格や発達段階が合っているかが重要です。
体を動かす活動や屋外遊びを確認する
幼児期には、遊びを通して体を動かす機会も大切です。
園庭や近隣の公園を利用するのか、屋外活動はどの程度あるのか、雨の日にはどのような室内活動を行うのかを確認しましょう。
屋外活動の頻度だけでなく、安全管理や暑さ対策についても聞いておくと安心です。
行事や保護者の参加負担を確認する
発表会、遠足、季節行事などの種類と頻度も確認します。
行事は子どもの経験につながる一方で、保護者の参加や準備が必要になる場合があります。
参加が必要な行事の回数、開催曜日、衣装や持ち物の準備、追加費用などを確認し、家庭の生活スタイルに合っているかを検討しましょう。
6.施設の位置づけと安全管理
インターナショナルスクールやプリスクールは、名称が似ていても、施設の法的な位置づけや運営形態が同じとは限りません。
教育内容だけでなく、施設区分や安全管理体制についても確認が必要です。
施設の区分や届出状況を確認する
見学時には、認可保育所、認定こども園、認可外保育施設、各種学校など、どのような位置づけで運営されているかを確認しましょう。
認可外という言葉だけで、施設の質を判断することはできません。ただし、施設区分によって、職員配置、設備、利用できる制度などが異なる場合があります。
自治体への届出状況や、行政による確認状況について、公開されている情報があるかも確かめておきましょう。
事故や災害への備えを確認する
次のような安全管理について質問します。
- 避難訓練をどのくらいの頻度で行っているか
- 地震や火災、不審者への対応方法
- けがや事故が起きた場合の対応手順
- 保護者への緊急連絡方法
- 送迎時の子どもの受け渡し方法
- 欠席連絡がない場合の確認方法
見学できる場合は、避難経路、出入口の管理、階段や窓の安全対策、遊具の状態なども確認しましょう。
体調不良やアレルギーへの対応を聞く
発熱、けが、体調不良が起きた場合の連絡基準や、保護者のお迎えが必要になる条件を確認します。
食物アレルギーがある場合は、給食やおやつの提供方法、誤食を防ぐ仕組み、緊急時の対応について、個別に相談できるかを確認しましょう。
7.料金と通園方法
教育方針や雰囲気が家庭に合っていても、費用や通園の負担が大きいと、継続が難しくなる場合があります。
月謝だけでなく、年間で必要になる費用と、毎日の通園方法を具体的に確認しましょう。
年間の総費用を確認する
スクールによっては、月謝以外にも次のような費用がかかります。
- 入園料や登録料
- 施設費
- 教材費
- 給食費やおやつ代
- 制服や指定用品の費用
- 行事費
- 送迎バス代
- 延長保育料
- 長期休暇中の追加利用料
「初年度に必要な合計金額」と「2年目以降に必要な年間費用」を分けて確認すると、予算を立てやすくなります。
欠席、休園、退園時の返金やキャンセルに関する規定も確認しておきましょう。
実際の通園ルートを確かめる
可能であれば、普段通園する時間帯に近い時間に、実際の交通手段で訪問してみましょう。
最寄り駅からの距離、駐車場や駐輪場の有無、周辺道路の混雑状況などを確認します。
送迎バスを利用する場合は、停留所、運行時間、乗車時間、欠席時の連絡方法、保護者への引き渡し方法なども聞いておきましょう。
8.保護者への連絡と相談体制
子どもの日中の様子をどの程度知ることができるかは、保護者が安心して預けるための重要なポイントです。
日常的な連絡方法だけでなく、困ったことが起きたときの相談先も確認しましょう。
日々の連絡方法を確認する
アプリ、連絡帳、メール、口頭など、連絡方法はスクールによって異なります。
次のような点を確認しておくと、入園後の様子をイメージしやすくなります。
- 毎日の活動内容は共有されるか
- 食事、昼寝、排せつなどの記録はあるか
- 写真や動画の共有はあるか
- 個別の相談はどのような方法で行うか
- 欠席や遅刻の連絡方法
面談や相談の機会を確認する
個別面談の頻度や、普段から先生に相談できる方法を確認します。
子どもが環境に慣れない場合、友達との関係で困った場合、家庭で気になる変化があった場合などに、誰へ相談すればよいかを聞いておきましょう。
相談窓口が複数ある場合は、担任、主任、スクール責任者など、それぞれの役割も確認しておくと安心です。
インターナショナルスクール・プリスクールの見学後にすること
見学後は、記憶が鮮明なうちに確認した内容を整理します。
雰囲気だけで決めるのではなく、家庭の優先事項と照らし合わせて比較することが大切です。
同じ項目でスクールを比較する
複数のスクールを見学する場合は、同じ質問リストやチェックシートを使いましょう。
比較する項目が統一されていると、それぞれの特徴や違いを整理しやすくなります。
- 教育方針と英語環境
- 職員体制と資格
- 先生と子どもの関わり方
- クラスの雰囲気
- 1日の活動内容
- 安全管理
- 年間費用と通園方法
- 保護者への連絡体制
子どもの反応を記録する
見学に子どもを連れて行った場合は、興味を示したもの、緊張していた場面、先生への反応などを記録します。
ただし、見学当日の反応だけで相性を判断する必要はありません。子どもの体調や時間帯、初めての場所への慣れやすさも考慮しましょう。
家族で優先順位を確認する
見学後は、よかった点と気になった点を家族で共有します。
英語環境だけでなく、通園時間、費用、預かり時間、行事の負担、安全管理など、継続して通ううえで必要な条件も含めて検討しましょう。
まとめ|8つのチェックポイントをもとにスクールを比較しよう
インターナショナルスクールやプリスクールの見学では、英語が使われる時間だけでなく、教育方針、職員体制、先生と子どもの関わり方、活動内容、安全管理などを総合的に確認することが大切です。
見学当日に確認したい項目は、次の8つです。
- 教育方針と実際の英語環境
- 職員体制・資格・役割分担
- 先生と子どもの関わり方
- 子どもたちの様子とクラスの雰囲気
- 1日の流れと活動内容
- 施設の位置づけと安全管理
- 料金と通園方法
- 保護者への連絡と相談体制
短時間の見学だけで、スクールのすべてを判断することはできません。事前に質問を準備し、見学時の観察、担当者からの説明、公開されている施設情報などを組み合わせて、家庭の方針と子どもの状況に合ったスクールを検討しましょう。

