「思ったより費用がかかる」「子どもが英語での授業についていけない」など、インターナショナルスクールへの入学後に、想定していなかった悩みが出てくることがあります。
インターナショナルスクールは学校ごとに教育方針やカリキュラム、使用言語、法的な位置づけが異なります。そのため、入学前に十分な情報収集をしておくことが大切です。
この記事では、インターナショナルスクールで後悔につながりやすい原因や、進学前に確認しておきたいポイントを解説します。
わが子の性格や現在の言語環境、家庭の教育方針、将来の進路と照らし合わせながら、学校選びを考えてみましょう。
インターナショナルスクールで後悔しやすい9つの原因
インターナショナルスクールは、英語を使って学べることや、多様な文化に触れられることなどが魅力です。
一方で、学校によって教育内容や費用、進級基準などが大きく異なるため、入学前のイメージとの違いが後悔につながることもあります。
ここでは、事前に確認しておきたい9つのポイントを紹介します。
学費以外の出費が想定より多かった
インターナショナルスクールでは、授業料以外にもさまざまな費用が発生する場合があります。
たとえば、入学金、施設費、教材費、制服代、スクールバス代、校外学習費、課外活動費などです。学校によっては寄付金などが設定されている場合もあります。
必要な費用や金額は学校によって大きく異なります。
入学前には授業料だけを見るのではなく、年間を通してどのような費用が発生するのかを学校に確認し、無理のない資金計画を立てておきましょう。
子どもの英語力が期待していたほど伸びなかった
インターナショナルスクールに入れば、すぐに英語を自由に使えるようになるとは限りません。
英語力の伸び方は、入学時の英語力、年齢、授業内容、英語に触れる時間、家庭での言語環境などによって異なります。
日常会話ができるようになっても、教科の内容を理解し、自分の考えを英語で説明するための力が十分に育つまでには時間が必要な場合があります。
「何年通えば話せるようになる」と一律に考えるのではなく、入学時のレベルに応じてどのような英語サポートがあるのかを確認することが大切です。
保護者にも英語での対応が必要だった
学校によっては、お知らせや面談、保護者向けの説明などが英語中心で行われることがあります。
一方で、日本語での案内や通訳、日本人スタッフによるサポートを用意している学校もあります。
保護者の英語力に不安がある場合は、入学前に以下の点を確認しておくと安心です。
- 学校からの連絡は何語で届くか
- 保護者面談は日本語でも対応できるか
- 緊急時に日本語で相談できるスタッフがいるか
- 学校行事や保護者会ではどの程度英語が必要か
子どもの英語環境だけでなく、家庭と学校が無理なく連携できるかという視点も重要です。
日本語の読み書きを支える必要があった
英語中心の学校生活では、日本語を使って読み書きする時間が日本の学校より少なくなる場合があります。
ただし、二つの言語に触れること自体が子どもの言語発達を妨げるわけではありません。
バイリンガルの子どもは、英語と日本語で得意な分野が異なったり、それぞれの言語への接触量によって語彙や読み書きの発達に差が出たりすることがあります。
将来的に日本語での進学や学習も考えている場合は、日本語の読書や会話、作文などに触れる時間を家庭でも確保するとよいでしょう。
日本語と英語の学習言語を両方支える必要があった
日常会話ができることと、文章を読んで内容を理解したり、自分の考えを論理的に説明したりすることは同じではありません。
特に学年が上がると、英語でも日本語でも、教科学習に必要な語彙や読み書きの力が求められます。
そのため、「日常会話ができているから問題ない」と判断するのではなく、それぞれの言語でどの程度読み、書き、考えられているかを継続的に確認することが大切です。
必要に応じて、日本語学習や英語の読み書きを補う方法を学校と相談するとよいでしょう。
日本の学校文化との違いに戸惑った
インターナショナルスクールと日本の学校では、授業の進め方や行事、学校生活のルールなどが異なる場合があります。
たとえば、発言やディスカッションを重視する学校もあれば、宿題や評価方法が日本の学校と大きく異なる場合もあります。
これは優劣ではなく、教育方針や文化の違いです。
将来的に日本の学校へ転校する可能性がある場合は、日本の学校との学習内容や学校生活の違いについても事前に確認しておくと安心です。
期待していた国際的な環境と違った
「さまざまな国や地域の子どもと交流できる」と期待して入学しても、生徒の国籍や言語背景は学校によって大きく異なります。
また、国籍だけで学校の国際性を判断できるわけでもありません。
多文化的な環境を重視する場合は、生徒や教員の背景だけでなく、授業や行事の中で異なる文化や価値観をどのように扱っているかも確認しましょう。
進級や卒業の基準を十分に確認していなかった
インターナショナルスクールでは、学校独自のカリキュラムや海外の教育制度に基づいて、進級や修了の基準を設定している場合があります。
成績、出席状況、取得単位などが進級・卒業に関係することもありますが、具体的な基準は学校によって異なります。
入学前に、進級条件、卒業条件、学習面で遅れが出た場合のサポート体制を確認しておきましょう。
国内進学の条件を十分に確認していなかった
インターナショナルスクールから日本国内の高校や大学へ進学する場合は、学校の種類や修了した課程によって入学資格の扱いが異なることがあります。
国内の大学については、文部科学大臣が指定した教育施設の課程を修了した場合や、所定の国際的な認定を受けた学校の12年課程を修了した場合、国際バカロレアなど所定の大学入学資格を取得した場合などに、大学入学資格が認められる制度があります。
一方で、具体的な出願条件や選抜方法は大学ごとに異なります。
将来的に日本の高校や大学への進学を考えている場合は、「インターナショナルスクールを卒業すれば大丈夫」と考えず、希望する進路の入学資格を早めに確認することが重要です。
インターナショナルスクールで後悔につながりやすいケース例
ここでは、特定の保護者の実体験ではなく、学校選びで起こり得るケースを例として紹介します。
同じ状況でも子どもの性格や学校の支援体制によって結果は異なるため、一つの判断材料として参考にしてください。
英語での授業についていくことが負担になったケース
英語環境そのものには楽しく参加できても、学年が上がるにつれて授業内容が難しくなり、教科の理解に負担を感じることがあります。
日常的な会話ができることと、算数や理科などの内容を英語で理解することは異なります。
授業についていくことが難しい状態が続いた場合は、学校の英語サポートや個別指導の有無を確認し、必要に応じて学習環境そのものを見直すことも選択肢になります。
転校後に英語を使う機会が減ったケース
インターナショナルスクールから日本語中心の学校へ転校すると、日常的に英語を使う時間が大きく減る場合があります。
語学力は、使う機会や学習環境の影響を受けます。
英語力を維持したい場合は、読書、動画、会話、英語教室など、年齢や本人の興味に合った形で英語に触れる機会を確保する方法があります。
ただし、必要な学習量や適した方法には個人差があります。
日本語と英語の読み書きに負担を感じたケース
幼少期から英語中心の学校に通っている場合でも、家庭や学校で日本語と英語それぞれにどの程度触れているかによって、読み書きの得意不得意は変わります。
会話では困らなくても、学年が上がるにつれて長い文章の読解や作文などに難しさを感じる場合があります。
そのようなときは、「二言語だから仕方がない」と決めつけず、どの言語のどの力に負担があるのかを確認することが大切です。
必要に応じて学校と相談し、日本語や英語の学習方法を調整しましょう。
インターナショナルスクールへの進学を慎重に検討したいケース
インターナショナルスクールがすべての子どもに合うわけではありません。
ただし、性格や英語力だけで「向いている」「向いていない」と決めることも適切ではありません。
現在の様子と学校側の支援体制を合わせて検討することが重要です。
英語環境に強い負担を感じている
英語に対して強い抵抗感があり、英語中心の環境に入ることで大きな負担を感じる子どももいます。
この場合は、入学後にどのような語学サポートを受けられるのかを確認することが大切です。
英語初心者向けのクラスや補助スタッフがいる学校もあるため、「英語が苦手だからインターナショナルスクールには通えない」と一律に判断する必要はありません。
可能であれば見学や体験の機会を利用し、本人の反応を確認しましょう。
大きな環境変化への負担が心配される
新しい場所や人間関係に慣れるまで時間が必要な子どもにとって、学校変更と使用言語の変更が同時に起こることは負担になる場合があります。
その場合は、少人数の英語活動や学校見学などを通じて、少しずつ環境を知る方法もあります。
子どもの性格だけで判断するのではなく、学校が入学直後の子どもをどのように支えているかも確認しましょう。
日本の学校生活を強く希望している
地元の友達と同じ学校に通いたい、日本の学校行事や部活動に参加したいなど、子ども自身に明確な希望がある場合もあります。
保護者がインターナショナルスクールを希望していても、実際に通うのは子どもです。
年齢に応じて本人の意見を聞き、家庭の希望と子どもの気持ちの両方を踏まえて進路を考えましょう。
インターナショナルスクールと相性を検討しやすい家庭の条件
インターナショナルスクールを選ぶ際は、英語力だけでなく、家庭の教育方針や将来の進路との相性を考えることが重要です。
将来的に海外進学や海外生活を視野に入れている
将来的に海外大学への進学や海外での生活を考えている家庭にとって、英語で教科学習を行う環境は選択肢の一つになります。
ただし、インターナショナルスクールであれば、どの学校でも同じ進路につながるわけではありません。
国際バカロレアのディプロマ・プログラムなど、国際的な大学入学資格につながるカリキュラムを提供している学校もあります。
IB資格は日本の大学入学資格としても認められていますが、実際の出願条件や選抜方法は大学ごとに異なります。
国内外のどのような進路を想定しているのかを踏まえて、カリキュラムや卒業資格を確認しましょう。
英語以外の教育方針にも魅力を感じている
英語力の習得だけではなく、学校の教育理念や学習方法が家庭の考え方と合っているかも重要です。
探究型学習、ディスカッション、多文化理解などを重視する学校もあれば、学力や進学指導に力を入れている学校もあります。
同じ「インターナショナルスクール」という名称でも教育方針はさまざまです。
「英語で学べるから」という理由だけでなく、「なぜこの学校を選ぶのか」を具体的に考えてみましょう。
長期的な費用を無理なく計画できる
インターナショナルスクールでは、授業料に加えて教材費や施設費、スクールバス代、課外活動費などが必要になる場合があります。
また、学年が上がるにつれて費用が変わる学校もあります。
現在の授業料だけではなく、数年後の学費や兄弟姉妹の教育費なども含めて、長期的に無理のない計画を立てておくことが大切です。
後悔する前に知っておきたいインターナショナルスクールの選び方
インターナショナルスクール選びでは、学校の雰囲気だけでなく、カリキュラムや進路、法的な位置づけまで確認する必要があります。
ここでは、入学前に特に確認しておきたいポイントを紹介します。
学校の法的位置づけと進学資格を確認する
日本国内のインターナショナルスクールは、すべて同じ制度上の学校ではありません。
学校教育法第1条に定められた学校である「一条校」のほか、各種学校として認可されている学校や、それ以外の教育施設があります。
特に日本国籍を持つ学齢期の子どもの場合、一条校として認められていないインターナショナルスクールへの就学だけでは、学校教育法上の就学義務を履行したことにはなりません。
また、中学校・高校・大学への進学資格の扱いも、学校や修了課程によって異なります。
入学を検討する際は、学校の法的位置づけ、認定状況、卒業後に得られる資格、国内進学時の扱いを学校側へ確認しましょう。
学校見学で確認すべきポイント
学校見学では、ウェブサイトやパンフレットだけでは分かりにくい部分を確認できます。
生徒の国籍だけでなく、授業の進め方、使用言語、先生の子どもへの関わり方、英語初心者への支援、日本語教育の有無なども確認しましょう。
また、進級・卒業の基準や家庭との連絡方法について質問しておくことも大切です。
在校生や保護者の話を聞ける機会がある場合は、学校生活を知るための参考情報の一つとして活用するとよいでしょう。
先生の経歴や教育体制を確認する
教員について確認するときは、出身国やネイティブスピーカーかどうかだけで判断しないことが大切です。
教員の資格、指導経験、担当するカリキュラムへの理解、英語を母語としない子どもへの支援体制などを確認しましょう。
教員の在籍年数や入れ替わりの状況も学校運営を見るための参考情報になりますが、それだけで教育の質を判断することはできません。
複数の情報を合わせて確認することが重要です。
体験入学が利用できる場合は活用する
学校によっては、体験入学や授業見学を実施しています。
実際の授業や学校生活に触れることで、ウェブサイトだけでは分からない雰囲気を確認できます。
体験後は、「授業で困ったことはなかったか」「先生に質問できそうだったか」「また行きたいと思うか」など、子どもの感想を聞いてみましょう。
一度の体験だけで適性を決める必要はありません。
本人の反応、学校側の説明、家庭の教育方針を合わせて判断することが大切です。
インターナショナルスクールに通わせて後悔したときの対処法
入学後に悩みが出てきても、すぐに転校だけを考える必要はありません。
まずは何に困っているのかを整理し、学校と相談しながら対応方法を検討しましょう。
担任や学校側へ早めに状況を伝える
子どもが授業や人間関係などに困っている様子がある場合は、担任や学校側に相談しましょう。
英語での理解が難しいのか、教科学習そのものに困っているのか、友人関係に不安があるのかによって必要な対応は異なります。
相談の際は、家庭で見られる具体的な様子や、本人が話していることを整理して伝えると、学校側も対応方法を検討しやすくなります。
家庭でも日本語に触れる機会を確保する
将来的に日本語での学習や進学を考えている場合は、家庭でも日本語に触れる機会を確保するとよいでしょう。
絵本や児童書を読む、家族で会話する、日記や作文を書くなど、年齢に合った方法があります。
必要に応じて、日本語教室や補習教育などを検討する方法もあります。
ただし、必要な学習方法や量は子どもの言語環境によって異なるため、過度な負担にならない範囲で続けることが大切です。
転校も含めて学習環境を見直す
学校への強い抵抗が続いている、体調面の不調が続いている、授業への参加が難しい状態が続いているなどの場合は、現在の学校環境が合っているかを改めて検討する必要があります。
まずは学校側と状況を共有し、サポート方法を確認しましょう。
必要に応じて転校も選択肢になりますが、本人の気持ちや学習状況、次の学校への移行方法などを含めて総合的に判断することが大切です。
心身の不調が続く場合は、学校だけで抱えず、必要に応じて医療機関や専門的な相談先につなげることも検討しましょう。
インターナショナルスクールと日本の学校を比較する3つの視点
インターナショナルスクールと日本の学校のどちらが優れているかではなく、子どもと家庭にどちらが合っているかを考えることが重要です。
英語に触れる時間と学習環境を比較する
英語を主な授業言語としているインターナショナルスクールでは、日本語中心の学校と比べて英語に触れる時間が長くなる傾向があります。
ただし、英語に触れる時間が長ければ、すべての子どもが同じ速さで英語力を身につけられるわけではありません。
入学時の英語力や学校の支援体制などによっても学習状況は変わります。
英語力の習得そのものが目的であれば、日本の学校に通いながら英語教室やオンライン学習などを組み合わせる方法もあります。
どの程度の英語力を目指すのかを明確にし、それに合った教育環境を考えましょう。
大学進学ルートと将来の選択肢を比較する
日本の高等学校を卒業すれば、原則として日本の大学入学資格を得られます。
一方、インターナショナルスクールの場合は、学校の認定状況や修了課程、取得資格などによって大学入学資格の扱いが変わります。
IB資格など、日本国内の大学入学資格として認められている国際資格もあります。また、IBの成績を活用した入試を実施している国内大学もあります。
ただし、実際の出願要件や試験方法は大学や学部によって異なります。
国内大学と海外大学の両方を候補にする場合は、希望する大学の出願条件を早めに確認しておきましょう。
子どもの個性と校風の相性を確認する
学校選びでは、偏差値や学費、使用言語だけでなく、子どもがその学校で安心して学べるかどうかも重要です。
発言やディスカッションが多い学校、個人の探究活動を重視する学校、学習管理を細かく行う学校など、インターナショナルスクールの教育方針はさまざまです。
日本の学校についても、校風や教育方針は学校ごとに異なります。
「インターナショナルスクールだから合う」「日本の学校だから合わない」と考えるのではなく、実際の学校を見て判断することが大切です。
まとめ|インターナショナルスクールで後悔しないために事前確認を大切にしよう
インターナショナルスクールには、英語で学べる環境や多様な教育方針などの魅力があります。
一方で、費用、使用言語、日本語学習、進級基準、国内進学資格など、入学前に確認しておきたい点も少なくありません。
特に、日本国内のインターナショナルスクールは法的な位置づけや取得できる資格が学校によって異なります。
学校見学や説明会では、教育方針だけでなく、認定状況、卒業資格、進路実績、言語サポート、年間費用なども具体的に確認しましょう。
子どもの性格や現在の言語環境、本人の気持ち、家庭の教育方針、将来の進路を合わせて考えることが、入学後のミスマッチを減らすことにつながります。

