おうち英語は、保護者が英語を流ちょうに話せなくても始められます。大切なのは、保護者が先生のように英語を教えることではなく、歌や絵本、会話などを通して、子どもが英語に触れられる機会をつくることです。
本記事では、歌・動画・絵本・簡単なフレーズを取り入れる方法を、4つのステップに分けて紹介します。無料または低コストで利用できるコンテンツの探し方や、無理なく続けるための注意点も確認していきましょう。
親が英語を話せなくてもおうち英語は始められる
保護者が英語を流ちょうに話せなくても、家庭で英語に触れる機会をつくることはできます。
ただし、英語の音声を長時間流せば、自動的に英語が身につくわけではありません。子どもの年齢や興味に合わせて、一緒に歌う、絵を指さす、言葉をまねするなどのやり取りを加えることが大切です。
おうち英語とは家庭で英語に触れる機会をつくる取り組み
おうち英語とは、家庭での遊びや生活に英語を取り入れる取り組みの総称です。決まった教材や正式なカリキュラムがあるわけではありません。
たとえば、次のような活動がおうち英語に含まれます。
- 親子で英語の歌を聴く
- 歌に合わせて体を動かす
- 英語の絵本を一緒に見る
- 年齢に合った英語動画を見る
- 挨拶などの短い英語表現を使う
- 英語の音声をまねして発音する
すべてを行う必要はありません。子どもが興味を持ちやすい方法を一つ選び、生活の中に少しずつ取り入れてみましょう。
英語に触れる量だけでなく内容とやり取りも大切
英語に触れる時間は、英語の音や表現に親しむための一つの要素です。一方で、長時間かけ流すことだけを目標にする必要はありません。
子どもは、大人が反応を返してくれる会話や遊びを通して言葉を学んでいきます。英語の歌を流す場合も、保護者が一緒に歌ったり、動作をまねしたりすると、子どもが内容に注目しやすくなります。
また、日本語での会話や読み聞かせを減らして、家庭内をすべて英語に変える必要はありません。保護者が自然に使える言葉で十分に会話しながら、英語に触れる時間を追加する方法が現実的です。
おうち英語を始める前に決めておきたいこと
おうち英語を無理なく続けるためには、最初に大まかな目的と取り入れ方を考えておくとよいでしょう。
子どもにどのような経験をしてほしいか考える
まずは、おうち英語を通じてどのような経験をしてほしいかを考えます。
目標の例は次のとおりです。
- 英語の歌や絵本を楽しんでほしい
- 英語の音やリズムに親しんでほしい
- 簡単な挨拶や表現を使う経験をしてほしい
- 学校で英語を学ぶ前に、英語への抵抗感を減らしたい
- 英語を使って人とやり取りする楽しさを知ってほしい
最初から「英会話ができるようになる」といった大きな目標を設定する必要はありません。「親子で英語の歌を楽しむ」など、取り組みやすい目標から始めましょう。
子どもの年齢や興味が変わったときは、目標を見直しても問題ありません。
生活に取り入れやすいタイミングを選ぶ
おうち英語には、すべての家庭に共通する最適な時間や回数があるわけではありません。
最初は、次のように生活へ取り入れやすい活動を一つ選びましょう。
- 朝の準備中に英語の歌を1曲聴く
- 遊びの時間に英語の手遊び歌を楽しむ
- 夕方に短い英語動画を親子で見る
- 就寝前に英語絵本を1冊見る
- 挨拶だけ英語にしてみる
毎日できない日があっても問題ありません。継続を義務にするよりも、親子が負担を感じずに再開できる方法を選ぶことが大切です。
動画を使う場合は年齢と生活への影響を考える
英語動画は、映像と音を結び付けやすいという特徴があります。ただし、すべての年齢の子どもに同じように勧められるものではありません。
特に年齢の低い子どもは、画面を見ることよりも、家族との会話や遊び、実際に物へ触れる経験から学ぶことが多くあります。動画を利用する場合は、次の点に配慮しましょう。
- 子どもの年齢や発達段階に合った内容を選ぶ
- 保護者が事前に内容を確認する
- 可能な範囲で一緒に見る
- 広告や関連動画、自動再生に注意する
- 食事、睡眠、運動、外遊びを妨げないようにする
- 動画を見ないと落ち着けない状態にならないよう使い方を見直す
動画の利用時間だけで判断するのではなく、何をどのような状況で見ているかを確認することが重要です。
おうち英語のやり方を4つのステップで紹介
ここでは、おうち英語を始める方法の一例として、4つのステップを紹介します。
必ずこの順番に進める必要はありません。歌と絵本を同時に取り入れるなど、子どもの興味に合わせて自由に組み合わせてください。
ステップ1|英語の歌や音声を一緒に楽しむ
最初は、短くて繰り返しの多い英語の歌から始めると取り入れやすくなります。
音声を流すだけでなく、次のような活動を加えてみましょう。
- 歌に合わせて手をたたく
- 歌詞に出てくる動作をまねする
- 知っている単語を一緒に言う
- 同じ歌を何度か楽しむ
- 子どもが好きな部分だけを歌う
最初から歌詞を理解したり、正しく歌ったりする必要はありません。子どもが音やリズムを楽しんでいるかを見ながら進めます。
反応がない場合は、音量を下げる、別の歌に変える、一緒に体を動かすなど、取り入れ方を調整してみましょう。
ステップ2|英語動画で言葉と場面を結び付ける
子どもが動画を見られる年齢であれば、短い英語動画を取り入れる方法もあります。
映像の中で、登場人物が「Jump!」と言いながら跳ぶなど、言葉と動作が一致していると、子どもが状況から意味を想像しやすくなります。
動画を選ぶときは、次のような内容が適しています。
- 一つの場面が短い
- 言葉が聞き取りやすい
- 同じ表現が繰り返される
- 映像の動きと言葉が一致している
- 刺激の強すぎる音や映像が少ない
- 子どもの年齢や興味に合っている
動画を見た後に、「Jumpしていたね」と話したり、一緒に動作をまねしたりすると、受け身の視聴だけになりにくくなります。
ステップ3|英語絵本を親子で見る
英語の歌や動画に慣れてきたら、英語絵本も取り入れてみましょう。
英語絵本は、絵を手掛かりに内容を想像できます。保護者が英語を読むことに不安がある場合は、音声付きの絵本や読み聞かせ音源を利用する方法があります。
読み聞かせでは、すべての英文を正確に訳す必要はありません。次のような方法で楽しめます。
- 絵を指さしながら単語を聞く
- 動物の鳴き声や動作をまねする
- 子どもの好きなページだけを見る
- 同じ絵本を繰り返し読む
- 内容について日本語で会話する
子どもが途中で飽きた場合は、最後まで読ませようとせず、その日の読み聞かせを終えて構いません。
ステップ4|生活の中で短い英語表現を使う
英語の音や表現に慣れてきたら、生活の中で短いフレーズを使ってみましょう。
たとえば、次のような表現があります。
- 朝の挨拶:Good morning!
- 食事を始めるとき:Let’s eat!
- おいしいと伝えるとき:Yummy!
- 出掛けるとき:Let’s go!
- 就寝前:Good night!
- 取り組みを認めるとき:Good job!
子どもに言わせることを目的にせず、保護者が自然に使える表現から始めてください。
子どもが言葉で返さなくても、笑う、指をさす、動作をまねするなどの反応が見られる場合があります。発音や文法を細かく直すよりも、やり取りを楽しめているかを大切にしましょう。
無料・低コストでおうち英語の教材を探す方法
おうち英語は、高額な教材を用意しなくても始められます。家庭にある端末や地域の図書館などを活用してみましょう。
YouTubeなどで公式の英語動画を探す
YouTubeなどには、子ども向けの英語の歌やアニメを配信している公式チャンネルがあります。
代表的な例として、次のようなチャンネルがあります。
- Super Simple Songs:短く、繰り返しの多い子ども向け英語歌を探しやすい
- CoComelon:歌と日常生活を題材にしたアニメが配信されている
- Sesame Street:歌や会話を通して英語に触れられる動画がある
チャンネルの配信内容や利用条件は変更されることがあります。利用する際は、公式チャンネルであることや、現在の内容を保護者が確認してください。
動画サイトでは、目的の動画が終わった後に別の動画が自動再生される場合があります。自動再生を停止する、保護者が再生リストを作成するなどの対策も検討しましょう。
動画配信サービスの音声設定を確認する
利用中の動画配信サービスに、英語音声へ切り替えられる子ども向け作品がある場合は、追加料金なしで活用できることがあります。
ただし、英語音声や字幕の有無は、作品、契約内容、配信地域などによって異なります。視聴前に各作品の音声設定を確認してください。
すでに日本語で内容を知っている作品を英語音声で見ると、子どもが場面から意味を想像しやすくなる場合があります。
図書館で英語絵本を探す
地域の図書館に英語絵本が所蔵されている場合は、無料で借りられます。
図書館によって蔵書数や貸出方法が異なるため、館内検索や図書館のウェブサイトで確認しましょう。希望する本がない場合は、取り寄せや予約ができることもあります。
最初は、次のような絵本が取り入れやすいでしょう。
- 1ページあたりの文章が短い絵本
- 同じ言葉が繰り返される絵本
- 動物、食べ物、乗り物など、子どもが好きな題材の絵本
- 歌や音声が付いている絵本
- 仕掛けや指さしを楽しめる絵本
音声付き絵本や読み聞かせアプリを利用する
英語の発音に不安がある場合は、音声付き絵本や読み聞かせアプリも選択肢になります。
無料で利用できる範囲や料金体系はサービスごとに異なります。利用前に、対象年齢、広告の有無、自動課金の設定、個人情報の取り扱いなどを確認してください。
おうち英語を無理なく続けるための3つのポイント
おうち英語では、決めた内容を完璧にこなすことよりも、親子が負担を感じにくい方法を選ぶことが大切です。
英語を勉強として強制しない
英語を覚えさせようとして、発音を何度も直したり、単語を答えさせたりすると、子どもが負担を感じる場合があります。
幼い時期は、歌、絵本、ごっこ遊びなど、子どもが楽しみやすい活動に英語を取り入れてみましょう。
たとえば、次のような方法があります。
- おもちゃの色を英語で言ってみる
- 動物のカードを見ながら鳴き声をまねする
- 歌に合わせて頭、肩、膝などを触る
- 数を数えながら階段を上る
- 英語絵本の好きな場面をまねする
子どもが日本語で答えた場合も、否定せずに会話を続けてください。
子どもの反応に合わせて休む
子どもが英語を嫌がったり、別の遊びをしたがったりする日は、無理に続ける必要はありません。
毎日必ず行うことにこだわると、保護者にも負担がかかります。短い時間にする、別の教材に変える、数日休むなど、子どもの様子に合わせて調整しましょう。
英語を話さない期間があっても、すぐに「効果がない」「方法が間違っている」と判断する必要はありません。
結果ではなく具体的な行動に注目する
子どもの変化を見つけたときは、結果だけでなく、取り組んだ行動を具体的に伝えましょう。
たとえば、次のような声掛けができます。
- 「歌に合わせて手を動かしていたね」
- 「さっき聞いた言葉をまねしていたね」
- 「絵本の犬を見つけられたね」
- 「最後まで楽しそうに聞いていたね」
具体的な声掛けは、保護者が子どもの行動を見ていることを伝えやすく、次の活動への意欲につながることがあります。
ただし、毎回褒めることを義務にする必要はありません。一緒に笑う、うなずく、子どもの言葉を繰り返すなどの反応も大切なやり取りです。
おうち英語で話す機会を増やす方法
歌や動画、絵本は、英語の音や表現に触れる方法として活用できます。一方、会話を経験するには、子どもが発した言葉や反応に相手が応えてくれる双方向のやり取りが必要です。
家庭内でも短いやり取りはできる
保護者が英語に自信を持っていなくても、短い表現を使ったやり取りはできます。
たとえば、絵本を見ながら「Where is the cat?」と聞き、子どもが指をさしたら「There it is!」と反応する方法があります。
発音や文法を完璧にすることよりも、子どもの反応を受け止めることを優先しましょう。音声教材を一緒に聞いて、そのまままねする方法もあります。
外部の会話環境を取り入れる
家庭以外で英語を使う機会を増やしたい場合は、次のような選択肢があります。
- 子ども向けオンライン英会話:自宅から参加でき、短時間のレッスンを選べる場合がある
- 英会話スクール:講師やほかの子どもと対面でやり取りできる
- 地域の国際交流イベント:遊びや文化体験を通して英語に触れられる場合がある
- 英語の読み聞かせ会:図書館や地域施設で開催されることがある
- 英語キャンプ:一定期間、英語を使った活動に参加できる
必ずしもネイティブ話者の講師を選ぶ必要はありません。子どもの反応を待ち、安心して参加できる雰囲気をつくれる講師や教室かどうかを確認することが大切です。
外部サービスを選ぶときの確認ポイント
英会話サービスなどを利用するときは、次の点を確認しましょう。
- 子どもの年齢に合った内容か
- 子どもが楽しんで参加できそうか
- 一方的に説明するだけでなく、やり取りの時間があるか
- 無理に発言させたり、過度に訂正したりしないか
- 料金や解約条件が明確か
- オンラインの場合は安全対策が取られているか
- 体験後に子どもの感想を確認できるか
最初から長期間の契約をするのではなく、体験レッスンなどで子どもとの相性を確認する方法もあります。
おうち英語のやり方に関するよくある質問
おうち英語は何歳から始めるのがよいですか
おうち英語を始める年齢に、一律の正解や明確な締め切りはありません。
早く始めると、英語に触れる期間を長く確保しやすいという利点があります。ただし、開始年齢だけで、その後の英語力が決まるわけではありません。
子どもの興味、取り組みの内容、英語を使う機会、継続方法などによっても異なります。乳幼児期は歌や絵本、小学生以降はゲームや会話など、年齢に合った方法を選びましょう。
親が英語を話せないと子どもの発音に影響しますか
保護者が英語を流ちょうに話せないからといって、おうち英語を諦める必要はありません。
発音に不安がある場合は、歌、絵本の付属音声、子ども向け動画、読み聞かせアプリなどを併用できます。保護者も子どもと一緒に聞き、無理のない範囲でまねしてみましょう。
一つの発音だけを正解として細かく直すよりも、さまざまな英語の音に触れながら、伝えようとする経験を大切にしてください。
どのくらい続けると変化が見られますか
変化が現れる時期には個人差があり、「何か月続ければ話せるようになる」と一律に示すことはできません。
年齢、英語に触れる頻度、活動内容、子どもの興味、目標などによっても異なります。
次のような小さな反応が見られることがあります。
- 好きな英語の歌に反応する
- 歌に合わせて体を動かす
- 知っている音や単語をまねする
- 絵本の言葉と絵を結び付ける
- 挨拶に動作や言葉で応える
ほかの子どもと比較せず、以前の様子からどのように変わったかを確認しましょう。
英語動画を見せるだけでもよいですか
英語動画は教材の一つとして利用できますが、動画だけに任せる方法はおすすめできません。
可能な範囲で保護者も一緒に見て、登場人物の動作をまねする、動画に出てきた言葉を遊びで使うなど、実際のやり取りにつなげましょう。
特に年齢の低い子どもは、人との会話や現実の遊びを優先し、動画が睡眠、運動、食事、外遊びなどを妨げていないか確認してください。
おうち英語をすると日本語に影響しますか
家庭で英語に触れる場合も、保護者が最も自然に使える言葉で十分に会話することが大切です。
日本語の会話や読み聞かせを減らして、すべてを英語に置き換える必要はありません。日本語で気持ちや考えをやり取りする時間を保ちながら、歌や絵本などで英語を追加する方法を検討しましょう。
子どもの言葉の発達について気になる点がある場合は、英語への接触だけを原因と決めつけず、必要に応じて保育園、幼稚園、学校、自治体の相談窓口、医療機関などに相談してください。
まとめ|おうち英語は親子で楽しめる方法から始めよう
おうち英語は、保護者が英語を流ちょうに話せなくても始められます。
歌、動画、絵本、短い会話などから、子どもが興味を持ちやすい活動を選びましょう。決められた順番に進めたり、毎日長時間取り組んだりする必要はありません。
英語に触れる量だけでなく、親子で歌う、絵を指さす、子どもの反応に応えるといった双方向のやり取りも大切です。動画を利用する場合は、年齢や内容を確認し、睡眠、運動、遊び、家族との会話を妨げないよう配慮してください。
英語を話せるようになる時期や変化の現れ方には個人差があります。結果を急がず、親子が負担なく楽しめる方法を少しずつ取り入れていきましょう。

