「プリスクールとインターナショナルスクールは何が違うのだろう」と、施設選びに迷っていませんか。
どちらも英語に触れられる環境として紹介されますが、対象年齢、教育内容、保育時間、費用、進路、家庭に求められる対応などが異なります。また、同じ名称でも、施設によって法的な位置づけやカリキュラムが異なる点にも注意が必要です。
この記事では、インターナショナルスクールとプリスクールの違いを6つの視点から整理します。制度上の注意点や見学時の確認項目も紹介するため、子どもと家庭に合った環境を考える際の参考にしてください。
インターナショナルスクールとプリスクールの違いを理解する前に知っておきたいこと
インターナショナルスクールとプリスクールは、どちらも法律上の施設区分をそのまま表す名称ではありません。
同じ「プリスクール」という名称でも、認可外保育施設として届け出ている施設や、幼稚園・認定こども園に関連する施設などがあります。対象年齢、保育時間、職員配置、利用できる公的制度も施設によって異なります。
インターナショナルスクールについても、学校教育法第1条に定められた学校、いわゆる「一条校」に該当する施設、各種学校として認可されている施設、それ以外の教育施設があります。
名称だけで判断せず、検討している施設の法的位置づけや認定状況を個別に確認することが大切です。
プリスクールとはどのような英語保育の場か
プリスクールは、一般的に就学前の子どもを対象として、英語を取り入れた保育や幼児教育を行う施設を指します。
ただし、「プリスクール」には全国共通の定義がありません。対象年齢、英語を使用する時間、保育内容、利用日数などは施設によって異なります。
プリスクールの対象年齢と日本での位置づけ
プリスクールは、主に乳幼児から小学校入学前までの子どもを対象としています。ただし、受け入れを始める年齢や卒園時期は施設ごとに異なります。
日本では認可外保育施設として運営されている施設もありますが、すべてのプリスクールが同じ制度上の区分に該当するわけではありません。
利用前には、都道府県等への届出状況、指導監督基準を満たしているか、自治体の公開情報に掲載されているかなどを確認しましょう。
プリスクールの英語保育の特徴
プリスクールでは、歌、絵本、工作、外遊び、食事などの日常的な活動に英語を取り入れている施設が多くあります。
英語の授業だけを受けるのではなく、生活や遊びの中で英語を聞いたり使ったりする機会が設けられている点が特徴です。
ただし、英語を使用する割合や日本語によるサポートの有無は施設によって異なります。英語だけで過ごす施設もあれば、日本語を併用する施設もあります。
保育園・幼稚園とプリスクールの違い
保育所は、保育を必要とする子どもに保育を提供する児童福祉施設です。幼稚園は、学校教育法に基づいて幼児教育を行う学校です。
一方、プリスクールは名称だけでは法的な位置づけが決まりません。そのため、利用条件、開園時間、職員配置、保育料、公的支援の対象などを施設ごとに確認する必要があります。
なお、認可保育所等の利用に必要となる「保育の必要性」は、保護者の就労だけで判断されるものではありません。妊娠・出産、疾病、障がい、家族の介護・看護、求職活動、就学なども認定事由に含まれる場合があります。
プリスクールと幼児教育・保育の無償化
認可外保育施設に該当するプリスクールでも、条件を満たせば幼児教育・保育の無償化の対象になる場合があります。
認可外保育施設等を利用する3〜5歳児については、市区町村から「保育の必要性の認定」を受けた場合、月額3万7,000円を上限として利用料が無償化される制度があります。
ただし、すべてのプリスクールが対象になるわけではありません。原則として、都道府県等への届出を行い、国が定める基準を満たした対象施設を利用していることなどが必要です。
対象となる年齢、施設、利用料、申請方法は、居住する市区町村と利用予定の施設へ確認してください。
インターナショナルスクールとはどのような教育機関か
インターナショナルスクールは、外国の教育課程や国際的な教育プログラムを取り入れている教育施設の総称として使われています。
使用する言語やカリキュラムは学校によって異なります。本記事では、主に英語を教育言語として使用するインターナショナルスクールを想定して説明します。
インターナショナルスクールの対象年齢と位置づけ
インターナショナルスクールには、幼児部だけを設けている施設から、小学部、中学部、高等部までを設けている施設まであります。
日本国内のインターナショナルスクールには、次のような異なる位置づけがあります。
- 学校教育法第1条に定められた学校である一条校
- 都道府県から認可を受けた各種学校
- 認可外保育施設に該当する幼児部
- 上記とは異なる位置づけの教育施設
法的位置づけは、就学義務、日本の学校への進学、日本の大学への入学資格、公的支援などに関係します。入学前に必ず確認しておきましょう。
インターナショナルスクールの教育内容
英語を教育言語とするスクールでは、英語を教科として学ぶだけでなく、算数、理科、社会、芸術などを英語で学ぶ場合があります。
国際バカロレアや各国の教育課程、モンテッソーリ教育などを取り入れている施設もあります。ただし、すべてのインターナショナルスクールが同じプログラムを採用しているわけではありません。
教育方針、使用言語、評価方法、取得できる資格、認定状況を学校ごとに確認することが大切です。
日本の学校との違い
日本の一条校では、原則として学習指導要領に基づいた教育が行われます。
一方、インターナショナルスクールでは、海外の教育課程や独自のカリキュラムを採用している場合があります。学ぶ教科や内容、学習する順序、成績評価の方法も日本の学校とは異なることがあります。
英語を使う時間が長い環境でも、日本語教育の内容は学校によって異なります。日本語の読み書きや国語の学習をどの程度行うかについても確認が必要です。
日本国籍の子どもの就学義務に関する注意点
日本国籍を有する学齢期の子どもの保護者には、その子どもを日本国内の小学校・中学校等に就学させる義務があります。
一条校として認められていないインターナショナルスクールに通わせた場合、保護者が法律上の就学義務を履行したことにはなりません。
小学部や中学部への進学を検討するときは、その学校が一条校に該当するかを確認してください。一条校ではない施設を検討する場合は、入学前に居住する市区町村の教育委員会へ相談することが重要です。
インターナショナルスクールとプリスクールの違いを6つの視点で比較
両者の違いは、名称だけでは判断できません。ここでは、施設選びで確認したい6つの視点に分けて比較します。
1.対象年齢と法的位置づけの違い
プリスクールは、主に小学校入学前の子どもを対象としています。
インターナショナルスクールは、幼児部から高等部まで設けている学校もあれば、特定の年齢だけを対象とする施設もあります。
どちらも対象年齢や法的位置づけは一律ではありません。施設名だけで判断せず、受け入れ年齢と制度上の区分を確認しましょう。
2.英語環境とカリキュラムの違い
プリスクールでは、遊びや生活の中で英語に触れる活動が中心となる傾向があります。
インターナショナルスクールでは、英語を使って各教科を学ぶカリキュラムを採用している場合があります。
ただし、英語の使用割合や教育内容には施設ごとの差があります。「英語に親しむ施設」「英語で教科を学ぶ学校」と単純に分けず、実際の時間割やカリキュラムを確認することが必要です。
3.保育時間・通学時間の違い
プリスクールには、週に数回通うクラス、半日コース、長時間保育に対応したコースなどがあります。
インターナショナルスクールは学校形式の時間割で運営されることが多いものの、始業・終業時刻や長期休暇は学校によって異なります。
保護者が働いている場合は、次の項目を確認しましょう。
- 登園・登校時刻と降園・下校時刻
- 延長保育やアフタースクールの有無
- 長期休暇中の預かり
- スクールバスの運行範囲
- 保護者が参加する行事の頻度
4.卒園・卒業後の進路の違い
プリスクール卒園後の進路は、日本の公立・私立小学校、インターナショナルスクールの小学部など、家庭によって異なります。
インターナショナルスクールに通い続ける場合も、日本国内の学校へ進む場合も、現在の学校と進学先で学習内容や入学資格が異なる可能性があります。
一条校ではないインターナショナルスクールの小学部を修了した者が、日本の一条校の中学校へ入学することは認められない扱いとなります。同様に、その中学部から日本の中学校へ途中で編入することも認められない扱いです。
将来、日本の学校への進学や転入を考えている場合は、入学前の段階で市区町村教育委員会や希望する学校に確認してください。
高等部まで通う場合は、日本の大学入学資格を得られる課程かどうかも確認しましょう。国際バカロレアなどの資格、文部科学大臣の指定、国際的な評価団体による認定などが関係する場合があります。
5.費用の違い
プリスクールとインターナショナルスクールの費用は、地域、通う日数、保育時間、学年、施設設備、カリキュラムによって大きく異なります。
月謝や授業料だけでなく、次の費用を含めた年間総額で比較しましょう。
- 入園料・入学金
- 授業料・保育料
- 施設維持費
- 教材費
- 給食費
- 制服代
- スクールバス代
- 行事費・課外活動費
- 延長保育・アフタースクール代
- 保証金やデポジット
幼児教育・保育の無償化や自治体独自の支援を利用できるかどうかは、施設区分や世帯の状況によって異なります。施設と自治体の両方へ確認してください。
6.家庭に求められるサポートの違い
プリスクールでもインターナショナルスクールでも、家庭に求められる対応は施設によって異なります。
英語で連絡文書が届いたり、英語で保護者面談が行われたりする学校もあります。一方、日本語で保護者対応を行う施設もあります。
家庭では、次の点を確認しておくと安心です。
- 連絡事項に使われる言語
- 保護者面談や説明会の言語
- 家庭学習や宿題の量
- 日本語学習への対応
- 保護者が参加する活動の頻度
- 卒園・卒業後の学習支援
プリスクールとインターナショナルスクールの費用を比較する方法
施設の費用を比較するときは、Webサイトに掲載された月謝だけで判断しないことが大切です。
年間総額を確認する
月謝が低く見えても、施設維持費、教材費、行事費、給食費などが別に必要な場合があります。
入園・入学初年度と、2年目以降で必要な費用が異なることもあります。初年度の総額と、継続した場合の年間総額を分けて確認しましょう。
保育時間と通園日数をそろえて比較する
週2日コースと週5日コース、半日保育と長時間保育では、費用を単純に比較できません。
通園日数、1日の利用時間、延長保育の利用予定をそろえたうえで比較してください。
公的支援の対象になるか確認する
認可外保育施設等に該当する施設では、幼児教育・保育の無償化の対象になる場合があります。
ただし、市区町村による保育の必要性の認定や、施設側の要件などがあります。施設からの説明だけでなく、市区町村の担当窓口にも確認しましょう。
英語環境での保育・教育に期待できることと注意点
英語を日常的に聞いたり使ったりする環境は、子どもが英語に親しむ機会につながります。
一方、通園・通学するだけで一定の英語力や思考力が身につくことを保証するものではありません。子どもの年齢、個性、在籍期間、教育内容、家庭環境などによって経験や成果は異なります。
英語に触れる機会を増やせる
歌、絵本、遊び、授業などを通して、英語の音や表現に触れる時間を増やせます。
英語に対する抵抗感が少なくなったり、英語でコミュニケーションを取ろうとしたりするきっかけになることがあります。
多様な文化や考え方に触れられる
異なる言語や文化的背景を持つ人と関わることは、多様な考え方に触れる機会になります。
ただし、在籍する子どもや職員の構成は施設によって異なります。国際的な名称だけで判断せず、実際の環境を確認しましょう。
日本語の学習環境も確認する
英語を使う時間が長いことが、必ず日本語力の低下につながるわけではありません。
一方、将来日本の学校へ進学する場合は、日本語での読み書きや教科学習が必要になります。
日本語教育をどの程度行っているか、家庭でどのような補助が必要かを確認しておきましょう。
卒園・卒業後の継続環境を考える
卒園や転校によって英語を使う機会が大きく減ると、それまでに身につけた力を維持しにくくなることがあります。
進学先、家庭での英語活動、英会話教室、アフタースクールなど、卒園後の環境も含めて検討しましょう。
英語保育を始める前に家庭で考えておきたいこと
英語を早く始めることだけを優先せず、子どもが安心して過ごせるか、家庭で無理なく継続できるかを考えることが大切です。
子どもが安心して過ごせる環境か
子どもの性格だけで、プリスクールとインターナショナルスクールのどちらが向いているかを判断することはできません。
教職員との相性、クラスの人数、活動内容、日本語によるサポート、登園・登校時間など、さまざまな要素が関係します。
見学や体験参加を通して、子どもの表情や過ごし方を確認しましょう。
家庭の教育方針と合っているか
英語教育を受けさせる目的は、家庭によって異なります。
- 幼児期から英語に親しんでほしい
- 英語で教科を学べるようになってほしい
- 海外への進学を検討している
- 多様な文化に触れてほしい
- 将来は日本の学校へ進学してほしい
目的を整理し、学校の教育方針や卒業後の進路と合っているかを確認してください。
送迎と費用を継続できるか
子どもに合った施設でも、送迎や費用の負担が大きすぎると継続が難しくなることがあります。
通園・通学時間、保護者の勤務時間、長期休暇、きょうだいの予定なども含めて検討しましょう。
インターナショナルスクールとプリスクールの選び方
どちらが優れているかではなく、子どもの状況、家庭の方針、将来の進路に合っているかを基準に選びましょう。
英語教育の目的から選ぶ
まず、英語教育を検討する目的を整理します。
生活や遊びを通して英語に触れる機会を求める場合は、プリスクールが候補になります。英語で各教科を学ぶ環境や、海外の教育課程を希望する場合は、インターナショナルスクールが候補になります。
ただし、名称だけで教育内容は判断できません。希望する内容が実際のカリキュラムに含まれているか確認してください。
法的位置づけと進路から選ぶ
幼児期だけ通う場合でも、卒園後にどの学校へ進むかを考えておきましょう。
小学部・中学部まで通う場合は、一条校に該当するか、就学義務上どのように扱われるか、卒業後にどのような進路が認められるかを確認する必要があります。
高等部まで通う場合は、日本の大学への入学資格につながる課程かどうかも確認しましょう。
見学・体験で確認する
候補となる施設が決まったら、可能な範囲で見学や体験参加を行いましょう。
確認したい主なポイントは次のとおりです。
- 施設の法的位置づけと届出・認可状況
- 対象年齢と受け入れ条件
- 講師の資格、経験、採用・研修体制
- 英語と日本語を使用する割合
- カリキュラムと1日の流れ
- クラス人数と職員配置
- 子どもへの声かけや関わり方
- 安全管理と事故発生時の対応
- 給食、アレルギー、体調不良時の対応
- 保護者との連絡方法
- 年間に必要な費用
- 卒園・卒業後の主な進路
- 日本語学習への対応
- 取得できる資格や認定
保護者の口コミは参考になりますが、感じ方には個人差があります。公式情報、説明会での回答、見学時の様子を組み合わせて判断しましょう。
まとめ|6つの違いを確認して子どもと家庭に合う環境を選ぼう
インターナショナルスクールとプリスクールは、対象年齢、法的位置づけ、カリキュラム、保育時間、進路、費用、家庭に求められる対応などが異なります。
また、同じ名称でも施設によって内容や制度上の扱いが異なります。特に、幼児教育・保育の無償化、日本国籍の子どもの保護者に課される就学義務、日本の学校への進学・転入、日本の大学への入学資格については、入学前の確認が欠かせません。
まずは家庭の教育方針と将来の進路を整理し、複数の施設から資料を取り寄せて比較しましょう。見学や体験参加では、教育内容だけでなく、子どもが安心して過ごせる環境かどうかも確認することが大切です。

