「子どもに英語環境を用意したいけれど、プリスクールとインターナショナルスクールの違いが分からない」と悩む方もいるでしょう。
プリスクールとインターナショナルスクールは、名称だけで対象年齢や教育内容、法的な位置づけを一律に判断できるものではありません。
本記事では、対象年齢、英語環境、カリキュラム、保育・授業時間、費用、進路などの違いを整理します。家庭の教育方針に合った施設を選ぶための参考にしてください。
プリスクールとは?英語保育の特徴と基本的な仕組み
日本で「プリスクール」と呼ばれる施設は、一般に未就学児を対象として、英語を取り入れた保育や幼児教育を行っています。
ただし、「プリスクール」は法令上の統一された施設区分ではありません。対象年齢、保育時間、英語を使用する割合、運営形態などは施設によって異なります。
対象年齢と受け入れの仕組み
プリスクールは、主に未就学児を対象としています。ただし、何歳から受け入れているかは施設ごとに異なり、0歳や1歳から利用できる施設もあれば、2歳や3歳以降を対象とする施設もあります。
また、認可外保育施設として運営されている施設だけでなく、運営形態や制度上の位置づけはさまざまです。
入園前には、対象年齢だけでなく、施設の運営区分、保育体制、安全管理、職員配置なども確認しておきましょう。
生活や遊びを通じて英語に触れる環境
プリスクールでは、歌、ゲーム、工作、食事、外遊びなどの日常的な活動に英語を取り入れている施設があります。
英語を教科として学ぶだけでなく、先生や友だちとのやり取りを通して英語に触れられることが特徴です。
ただし、活動をすべて英語で行う施設もあれば、日本語と英語を組み合わせている施設もあります。英語を使用する時間や場面は、見学時に確認するとよいでしょう。
子どもの英語習得には、接触開始年齢だけでなく、英語に触れる量や質、継続期間、家庭での使用状況なども関係します。長時間英語に触れれば必ず高い英語力が身につくわけではありません。
保育時間と延長保育の有無
プリスクールの利用時間は施設によって異なります。午前中のみのクラス、午後までのクラス、長時間保育に対応する施設などがあります。
延長保育を利用できる施設もありますが、利用可能な曜日や時間、追加料金などは施設ごとに異なります。
共働き家庭では、通常の保育時間だけでなく、延長保育、長期休暇中の預かり、送迎方法まで確認しておくことが大切です。
インターナショナルスクールとは?特徴と確認したいポイント
インターナショナルスクールは、一般に英語などを主な授業言語として、国際的な教育環境を提供する教育施設を指します。
ただし、日本では「インターナショナルスクール」について法令上の統一された定義があるわけではありません。
学校教育法第1条に規定される学校、いわゆる「一条校」に該当する学校もあれば、各種学校やその他の教育施設として運営されている場合もあります。
そのため、名称だけで判断せず、学校としての法的位置づけや教育課程を確認することが重要です。
対象年齢と入学時期
インターナショナルスクールの対象年齢は学校によって異なります。
幼児部だけを設ける施設もあれば、小学部、中学部、高等部まで設置する学校もあります。幼児期から高校相当まで一貫して学べる学校ばかりではありません。
年度の開始時期も学校によって異なり、日本の学校と同様に4月から始まる場合もあれば、9月など別の時期を採用する場合もあります。
入学時期、学年区分、年齢の基準は学校ごとに確認しましょう。
授業言語とカリキュラム
インターナショナルスクールでは、英語などを主な授業言語としている学校があります。
算数、理科、社会などの教科を英語で学ぶ学校もありますが、英語の使用割合や日本語教育の内容は学校ごとに異なります。
また、海外の教育課程を採用する学校、独自のカリキュラムを設ける学校、日本の学習指導要領と国際的な教育プログラムを組み合わせる学校などがあります。
国際バカロレア(IB)を導入している学校もありますが、IBはすべてのインターナショナルスクールで実施されているわけではありません。
授業時間と年間スケジュール
授業の開始・終了時間や年間スケジュールも学校ごとに異なります。
放課後にアフタースクールや課外活動を設けている学校もあります。
共働き家庭では、授業終了後の預かり、長期休暇、祝日の扱いなども確認しておくと安心です。
インターナショナルスクールとプリスクールの違いを比較
両者の違いは名称だけで完全に分けられるものではありません。一般的な傾向として整理すると、次のようになります。
| 項目 | プリスクール | インターナショナルスクール |
|---|---|---|
| 主な対象 | 未就学児を中心とする施設が多い | 幼児から高校相当まで学校によって異なる |
| 英語環境 | 生活や遊びの中に英語を取り入れる施設が多い | 英語などを授業言語として使用する学校がある |
| カリキュラム | 遊びや体験を中心とする内容など施設ごとに異なる | 海外式、IB、独自課程など学校ごとに異なる |
| 利用時間 | 半日・全日など施設によって異なる | 学校ごとに授業時間や課外活動が異なる |
| 費用 | 地域・日数・保育時間などで大きく異なる | 学年・学校・カリキュラムなどで大きく異なる |
| 卒園・卒業後 | 日本の小学校やインターナショナルスクールなどを選択 | 学校内部の進級や国内外の学校への進学など学校によって異なる |
対象年齢
プリスクールは未就学児を中心とする施設が一般的です。
一方、インターナショナルスクールは、幼児部のみの学校から小学部、中学部、高等部まで設置する学校まで幅があります。
「プリスクールだから6歳まで」「インターナショナルスクールだから18歳まで」と一律に判断せず、希望する施設の対象年齢を確認しましょう。
英語を使用する時間と場面
プリスクールでは、遊びや生活を中心に英語を使用する施設があります。
インターナショナルスクールでは、教科学習にも英語などを使用する学校があります。
ただし、英語の使用割合は施設によって異なります。日本語をどの程度使うのか、日本語の読み書きを学ぶ時間があるのかも確認しておきたいポイントです。
カリキュラム
プリスクールでは、遊び、歌、工作、運動などを通じて英語に触れるプログラムが多く見られます。
インターナショナルスクールでは、教科教育を含むカリキュラムを設定している学校があります。
ただし、教育方針は施設によって大きく異なります。名称ではなく、具体的な年間カリキュラムや1日の活動内容を比較することが大切です。
保育・授業時間と通園スタイル
プリスクールには、週数回の通園、半日保育、全日保育などさまざまな利用方法があります。
インターナショナルスクールも、授業時間、アフタースクール、長期休暇の時期などが学校ごとに異なります。
保護者の勤務時間との相性を確認する場合は、通常時間だけでなく、延長利用や休暇中の対応も確認しましょう。
費用と確認しておきたい内訳
プリスクールとインターナショナルスクールの費用には、全国共通の料金基準がありません。
地域、対象年齢、週の利用日数、保育時間、教育課程などによって金額が大きく変わります。
月額または年間の授業料だけで比較せず、次の費用も確認しましょう。
- 入園料・入学金
- 月額保育料・授業料
- 施設費
- 教材費
- 給食費
- 制服・用品代
- 行事費
- スクールバス代
- 延長保育・アフタースクール料金
年間で必要になる総額を確認してから比較すると、入園・入学後の負担を把握しやすくなります。
卒園・卒業後の進路
プリスクール卒園後は、日本の小学校へ進学する家庭もあれば、インターナショナルスクールなど別の教育環境を選ぶ家庭もあります。
インターナショナルスクールの場合も、そのまま上級学年へ進級できるかどうかは学校によって異なります。
特に小学校以降のインターナショナルスクールを検討する場合は、学校の法的位置づけを確認することが重要です。
文部科学省によると、日本国籍を有する学齢児童生徒について、一条校として認められていないインターナショナルスクールへの就学だけでは、法律上の就学義務を履行したことにはなりません。
また、将来の大学入学資格も、修了した課程、学校の指定状況、国際バカロレアなどの取得資格、国際的な評価団体による認定状況などによって異なります。
長期的に通う場合は、卒業資格や国内外への進学実績まで確認しておきましょう。
プリスクールとインターナショナルスクールはどう選ぶ?
施設選びでは、「どのような子に向いているか」を一律に判断するより、子どもの様子と家庭の教育方針を照らし合わせることが大切です。
プリスクールを検討しやすい家庭
未就学期から生活や遊びの中で英語に触れさせたい家庭には、プリスクールが選択肢になります。
日本の小学校への進学を予定しながら、幼児期に英語環境を取り入れたい場合にも検討できます。
ただし、英語の使用割合や教育方針には施設差があります。子どもが実際の環境でどのように過ごしているか、見学や体験で確認しましょう。
インターナショナルスクールを検討しやすい家庭
教科学習を含めて英語などを使う教育環境を希望する場合は、インターナショナルスクールが選択肢になります。
海外への進学や国際的な教育課程を検討している家庭にとっても、候補のひとつです。
一方で、学校の法的位置づけ、日本語教育、卒業資格、国内の学校への転校や進学について確認が必要です。
幼児期から英語に触れるときに知っておきたいこと
幼児期から英語に触れることは、英語の音や表現に接する機会を増やす方法のひとつです。
ただし、「早く始めれば必ず高い英語力が身につく」とは限りません。
開始年齢だけで英語力は決まらない
子どもの言語発達には、英語に触れ始める年齢だけでなく、接触する量や質、使用する機会、継続期間などさまざまな要素が関係します。
そのため、開始年齢だけで施設を選ぶのではなく、子どもが無理なく参加できる環境かどうかも確認することが大切です。
日本語を含めた言語環境も考える
英語教育を検討するときは、英語だけでなく日本語をどのように育てていくかも考えておきましょう。
家庭で使用する言語、園や学校で使用する言語、将来進学する学校の言語などによって、必要な環境は異なります。
英語と日本語をどの程度使用するのかについて、家庭の方針と施設の方針が合っているか確認するとよいでしょう。
異文化に触れられる環境か確認する
国籍や文化的背景の異なる子どもや職員が在籍する施設では、さまざまな言語や文化に触れる機会があります。
ただし、プリスクールやインターナショナルスクールであれば、必ず多国籍な環境になるとは限りません。
どのような子どもや職員が在籍し、日常的にどのような交流があるのかは、実際の施設で確認しましょう。
施設選びで後悔しないために確認したいポイント
ホームページの情報だけでは、実際の保育や教育の様子が分からない場合があります。
可能であれば見学や体験の機会を利用し、次のポイントを確認しましょう。
講師や保育者の資格・経験・関わり方
講師を確認するときは、国籍だけで判断する必要はありません。
幼児教育や保育の経験、保有資格、英語指導の経験、子どもへの接し方などを総合的に確認することが大切です。
見学では、先生が子どもの話をどのように聞いているか、困っている子にどのように関わっているかも確認するとよいでしょう。
英語と日本語の使用方針
「英語保育」と案内されていても、英語を使用する時間や活動は施設ごとに異なります。
1日のうち何時間程度英語を使うのか、日本語を使う場面があるのか、日本語の読み書きを学ぶ機会があるのかを確認しましょう。
幼児教育・保育の無償化の対象になるか
プリスクールなどが認可外保育施設に該当する場合でも、一定の条件を満たせば幼児教育・保育の無償化の対象になることがあります。
認可外保育施設等では、市町村から「保育の必要性の認定」を受けることなどが必要です。
対象となる場合、3歳から5歳までの子どもは月額3.7万円まで、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもは月額4.2万円までが無償化の対象となります。
また、対象となる認可外保育施設には、都道府県等への届出や国が定める基準を満たすことなどの条件があります。
制度の詳細は、こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」や、居住する市区町村で確認してください。
学校としての法的位置づけ
小学校以降のインターナショナルスクールを検討する場合は、一条校、各種学校、その他の教育施設のどれに該当するかを確認しましょう。
特に日本国籍の子どもの義務教育や国内の学校への進学・転校に関わる重要なポイントです。
詳しくは、文部科学省「インターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」も確認してください。
大学進学まで考える場合は卒業資格も確認する
インターナショナルスクールの高等部まで通うことを検討している場合は、卒業後にどのような大学入学資格が得られるか確認しておきましょう。
学校や教育課程によって、日本国内の大学への出願資格の扱いが異なる場合があります。
国際バカロレアなどの資格や、文部科学大臣の指定、国際的な評価団体による認定などが関係する場合があります。
国内大学への進学を視野に入れる場合は、文部科学省「大学入学資格について」も確認しておくと安心です。
安全管理と保護者への連絡体制
英語教育の内容だけでなく、子どもが安全に過ごせる環境かどうかも重要です。
事故や体調不良時の対応、災害時の避難方法、保護者への連絡方法、送迎時の安全管理などを確認しておきましょう。
子どもの実際の様子
施設の教育理念やカリキュラムが魅力的でも、子どもとの相性は実際に過ごしてみなければ分からない場合があります。
見学や体験ができる場合は、子どもの表情や先生との関わり方、活動への参加状況などを確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. プリスクールとインターナショナルスクールの一番の違いは何ですか?
A. 一律に分けられるものではありませんが、プリスクールは主に未就学児を対象として生活や遊びに英語を取り入れる施設が多く、インターナショナルスクールは英語などを使った教科学習を行う学校が多いという傾向があります。
ただし、対象年齢、英語の使用割合、カリキュラム、法的位置づけは施設ごとに異なります。名称だけでなく、実際の教育内容を確認することが大切です。
Q. 幼児英語を始めるなら何歳からがよいですか?
A. すべての子どもに共通する「最適な開始年齢」が決まっているわけではありません。
早い時期から英語に触れることで接触時間を確保しやすくなりますが、英語力は開始年齢だけで決まるものではありません。
英語に触れる量や質、継続性、子どもの様子なども考えながら、無理なく続けられる時期を選びましょう。
Q. プリスクールを卒園した後、英語力はどうなりますか?
A. 卒園後の英語力の変化には個人差があります。
英語を使う機会が大きく減ると、身につけた語彙や表現を使う機会も減ります。
英語教室、オンライン英会話、読書、家庭での会話など、年齢に合った方法で英語に触れる機会を継続する方法があります。
Q. 認可外保育施設でも無償化を受けられますか?
A. 条件を満たす認可外保育施設等であれば、幼児教育・保育の無償化の対象となる場合があります。
原則として市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要があります。
対象となる場合、3歳から5歳は月額3.7万円まで、0歳から2歳の住民税非課税世帯は月額4.2万円までが対象です。
施設自体が無償化の対象になっているかも含め、居住する市区町村に確認してください。
Q. インターナショナルスクールに入るために英語力は必要ですか?
A. 必要な英語力や入学条件は学校によって異なります。
幼児部で英語未経験者を受け入れている施設もありますが、すべての施設に当てはまるわけではありません。
小学部以降では、英語力を確認する試験や面接を実施する学校もあります。希望する学校の募集要項を確認しましょう。
Q. ネイティブ講師が多い施設のほうがよいですか?
A. 講師の国籍だけで教育や保育の質を判断することはできません。
幼児教育の経験、資格、子どもとの関わり方、英語を使う環境、スタッフ間の連携などを総合的に確認することが大切です。
まとめ|インターナショナルスクールとプリスクールの違いを理解して選ぼう
プリスクールは、主に未就学児が生活や遊びを通じて英語に触れる施設として利用されています。
インターナショナルスクールは、英語などを授業言語として国際的な教育を行う学校がありますが、対象年齢、教育課程、法的位置づけは学校ごとに異なります。
そのため、「プリスクールだからこう」「インターナショナルスクールだからこう」と名称だけで判断しないことが大切です。
英語の使用割合、カリキュラム、費用、保育・授業時間、卒園・卒業後の進路、無償化の対象、安全管理などを比較しましょう。
特に小学校以降のインターナショナルスクールを検討する場合は、一条校かどうかや卒業後の進学資格についても確認が必要です。
ホームページだけで判断せず、可能であれば複数の施設を見学し、先生と子どもの関わり方や実際の雰囲気も確認したうえで、家庭の教育方針に合う環境を検討しましょう。

