「英語の絵本を読み聞かせたいけれど、発音に自信がない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
幼児向けの英語絵本には、短い文章を繰り返すもの、仕掛けを楽しめるもの、歌やリズムに合わせて読めるものなどがあります。保護者が英語を流暢に話せなくても、絵を指差したり、収録音声を補助的に使ったりしながら親子で楽しめます。
この記事では、幼児向け英語絵本の選び方とおすすめ10選、発音に自信がない場合の読み方、無理なく続けるコツを紹介します。
幼児向け英語絵本の読み聞かせで期待できること
英語の音やリズムに親しむ機会になる
乳幼児期は、周囲で聞く言語の影響を受けながら、音の聞き分け方が変化していく時期です。英語絵本の読み聞かせは、日常生活の中で英語の音やリズムに触れる機会のひとつになります。
ただし、英語絵本を読めば、英語特有の音を必ず聞き分けられるようになったり、発音が身についたりするわけではありません。子どもの興味、英語に触れる頻度、周囲とのやり取りなどによって感じ方や学び方は異なります。
一般に使われる「英語耳」という言葉には、統一された学術的な定義がありません。この記事では、英語の音やリズムに親しみ、聞こうとする経験を重ねることを表す言葉として扱います。
絵と英語を結びつけやすい
絵本では、登場する動物や食べ物、色、動作などが絵で示されます。そのため、文章をすべて日本語に訳さなくても、絵を手掛かりに内容を想像しやすいのが特徴です。
例えば、クマの絵を指差しながら「Bear」と言ったり、赤いものを見ながら「Red」と言ったりすると、絵と英語を一緒に楽しめます。
親子のやり取りをつくりやすい
読み聞かせでは、保護者が一方的に文章を読むだけでなく、子どもが指差したものに反応したり、ページを一緒にめくったりできます。
子どもの表情や声に応じながら読むことで、本を囲んだ親子の時間をつくりやすくなります。英語を教え込むことよりも、子どもが絵本を楽しめているかを大切にしましょう。
幼児向け英語絵本の選び方
絵が大きく、文章が短いものを選ぶ
初めて英語絵本を読む場合は、1ページあたりの文章が短く、何が描かれているか分かりやすい絵本が向いています。
文章が長い絵本よりも、単語や短いフレーズを繰り返す絵本の方が、保護者も読み進めやすく、子どもも内容を追いやすくなります。
仕掛けや指差しを楽しめるものを選ぶ
扉や窓をめくる仕掛け絵本は、子どもが自分からページに触れやすいのが特徴です。「どこにいるかな」「次は何が出てくるかな」と日本語で声をかけながら読んでも構いません。
子どもが仕掛けに興味を持っている間に、動物や色などの英単語を短く添える方法もあります。
韻や繰り返しのある絵本を選ぶ
英語には、語尾の音をそろえる「韻(ライム)」を使った絵本が多くあります。繰り返しや一定のリズムがある文章は、意味がすべて分からなくても音の流れを楽しみやすいのが特徴です。
無理に発音を再現しようとせず、手拍子をしたり、子どもが好きな部分だけ一緒に声に出したりして楽しみましょう。
年齢だけでなく子どもの興味に合わせる
絵本に表示されている対象年齢は、出版社や版によって異なります。年齢は目安として確認し、子どもの興味や発達段階に合わせて選びましょう。
| 年齢の目安 | 選びやすい絵本の特徴 |
|---|---|
| 0〜2歳 | 丈夫なボードブック、大きな絵、単語や擬音語が中心のもの |
| 3〜4歳 | 短い文章、繰り返し表現、仕掛けや簡単な物語があるもの |
| 5〜6歳 | ストーリーを楽しめるもの、アルファベットや数が登場するもの |
年齢が高くても、短くて簡単な絵本を繰り返し読むことに問題はありません。最後まで楽しめる難易度から始めてください。
幼児向け英語絵本おすすめ10選
ここでは、短い文章、繰り返し、仕掛け、歌などを楽しめる定番の英語絵本を紹介します。同じ作品でも、ボードブック、仕掛け絵本、音声付きなど複数の版があるため、購入前に仕様を確認してください。
1.Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?
ビル・マーティン・ジュニア作、エリック・カール絵の絵本です。動物と色が次々に登場し、同じ形の質問と答えが繰り返されます。
文章の流れを予測しやすいため、英語絵本を初めて読む家庭でも取り入れやすい一冊です。動物や色を指差しながら、知っている単語だけ声に出しても楽しめます。
2.The Very Hungry Caterpillar
エリック・カール作の絵本で、日本では『はらぺこあおむし』として知られています。
食べ物、数、曜日などの言葉が物語の中に登場します。ページに穴が開いた仕掛けもあり、子どもが指で触れながら読み進められます。
日本語版を読んだことがある子どもは、物語を知っていることが英語版を楽しむ手掛かりになる場合があります。
3.Goodnight Moon
マーガレット・ワイズ・ブラウン作、クレメント・ハード絵の絵本です。
部屋の中にあるものへ、順番におやすみのあいさつをしていく構成です。身近なものの名前や、就寝前に使える短い表現に触れられます。
落ち着いたテンポのため、寝る前に読む絵本を探している家庭にも選びやすいでしょう。
4.Dear Zoo
ロッド・キャンベル作の仕掛け絵本です。動物園から届いた箱の仕掛けをめくると、さまざまな動物が登場します。
同じ文章の形が繰り返され、動物の名前や大きさ、性質を表す簡単な言葉が使われています。仕掛けをめくる役を子どもに任せると、親子で参加しながら読めます。
5.Where’s Spot?
エリック・ヒル作の仕掛け絵本です。母犬のサリーが、子犬のスポットを探して家の中を見て回ります。
扉や家具の仕掛けをめくりながら、場所を尋ねる表現や、物の位置を表す言葉に触れられます。「いるかな」「どこかな」と日本語を交えて読んでも楽しめます。
6.We’re Going on a Bear Hunt
マイケル・ローゼン作、ヘレン・オクセンバリー絵の絵本です。家族がクマを探しに出かけ、草原や川、泥の中などを進んでいきます。
音を表す言葉や繰り返しの文章が多く、手拍子や動きをつけながら読みやすい作品です。文章量はやや多いため、子どもの様子に合わせて途中まで読む方法もあります。
7.Chicka Chicka Boom Boom
ビル・マーティン・ジュニアとジョン・アーキャンボールト作、ロイス・エイラート絵のアルファベット絵本です。
アルファベットが順番に登場し、リズミカルに物語が進みます。文字の形や名前に興味を持ち始めた子どもが、絵とリズムを楽しむきっかけになります。
8.Guess How Much I Love You
サム・マクブラットニー作、アニタ・ジェラーム絵の絵本です。ウサギの親子が、お互いへの愛情の大きさを伝え合います。
ほかの入門向け絵本より文章が長めですが、親子のやり取りを描いた穏やかな物語を楽しめます。最初からすべて英語で読むのが難しい場合は、日本語版で内容を知ってから英語版を読む方法もあります。
9.The Wheels on the Busを題材にした絵本
英語圏で親しまれている童謡をもとにした絵本です。同じ題名で複数の出版社やイラストレーターによる版があります。
歌に合わせて手や体を動かしながら読めるのが特徴です。ボードブック、仕掛け絵本、音声付き絵本などがあるため、子どもの年齢や使い方に合う版を選びましょう。
10.Baby Sharkを題材にした絵本
繰り返しの多い歌をもとにした絵本で、複数の種類が販売されています。歌を知っている子どもは、音と絵を結びつけながら楽しみやすいでしょう。
商品によって内容や収録音声、仕掛けの有無が異なります。購入する際は、対象年齢、ページの材質、音声機能などを確認してください。
英語が苦手な保護者でも読み聞かせを楽しむ方法
日本語を交えながら読む
英語絵本は、最初から最後まで英語だけで読む必要はありません。子どもが絵を指差したら「クマだね。Bearだね」と声をかけるなど、日本語と英語を組み合わせても構いません。
文章を正確に訳すことよりも、子どもが絵や物語を楽しめているかを大切にしてください。
分からない単語だけ事前に音声を確認する
発音が分からない単語がある場合は、音声付きの辞書や出版社が提供している音源などで、読み方を確認できます。
すべてを流暢に読む必要はありません。難しい部分を省き、動物や色などの短い単語だけ読む方法でも楽しめます。
音声付き絵本は補助として使う
音声付き絵本には、CD、二次元コード、アプリなどを利用するものがあります。収録された英語の音声を確認できるため、保護者が読み方に迷うときの補助になります。
ただし、音声を流したままにするだけでなく、絵を一緒に見たり、子どもの反応に応えたりすることも大切です。音声を聞いたあとに好きな場面を一緒に読むなど、親子のやり取りと組み合わせましょう。
音声ペンは対応する絵本を確認する
音声ペンは、絵や文字にペンを当てると音声が流れる教材です。子どもが自分で操作できる商品もあります。
ただし、音声ペンはすべての英語絵本に使えるわけではありません。専用ペンが必要なものや、特定シリーズだけに対応するものがあります。購入前に、対応する絵本、対象年齢、音声の内容、追加教材の費用などを確認してください。
英語絵本の読み聞かせを続けるコツ
生活の中で読みやすい時間を決める
読み聞かせを続けたい場合は、寝る前やお風呂のあとなど、普段の生活に組み込みやすい時間を選びます。
毎日必ず読む必要はありません。1冊を最後まで読めない日は、表紙を見たり、好きなページだけ開いたりする方法でも構いません。
子どもが手に取りやすい場所に置く
子どもの目線に合う絵本棚やカゴに置くと、自分から本を選びやすくなります。英語絵本だけを分けず、日本語絵本と一緒に並べる方法もあります。
英語と日本語のどちらを選ぶかは、子どもに任せましょう。
気に入った絵本を繰り返し読む
子どもは、同じ絵本を何度も読みたがることがあります。繰り返すことで、物語の順番を予測したり、好きな言葉をまねしたりする場合があります。
新しい絵本へ次々に替える必要はありません。子どもが楽しんでいる間は、同じ一冊を繰り返してもよいでしょう。
英語絵本をもっと楽しむためのひと工夫
短い声かけフレーズを使う
読み聞かせ中に短い英語を添えると、親子で会話をしながら読み進められます。すべてのフレーズを使う必要はなく、言いやすいものを一つ選んでください。
| 場面 | 英語フレーズ |
|---|---|
| 絵本を開くとき | Let’s read a book. |
| 絵を指差すとき | What’s this? |
| 動物が出てきたとき | It’s a bear. |
| 好きなものを尋ねるとき | Which one do you like? |
| 読み終わったとき | The end. |
子どもが答えない場合も、無理に発話を求める必要はありません。指差しや表情も、絵本を楽しんでいる反応のひとつです。
絵本の言葉を遊びにつなげる
絵本に登場した動物、食べ物、色などを、普段の遊びの中で探してみましょう。
例えば、果物が登場する絵本を読んだあとに、おままごとの果物を指差して英語で名前を言ったり、動物のぬいぐるみを使って物語を再現したりできます。
英語を覚えさせることを目的にせず、絵本の続きを遊びとして楽しむことがポイントです。
幼児に英語絵本を読み聞かせるときの注意点
子どもが嫌がるときは無理に続けない
英語絵本に興味を示すかどうかは、子どもによって異なります。日本語の絵本を選びたがる日や、絵本自体を読みたがらない日もあります。
無理に読ませると、英語や読書への負担感につながる可能性があります。興味を示さない場合は一度休み、別の日に試してみましょう。
音声教材だけに任せきりにしない
音声教材は発音を確認するために便利ですが、親子の会話や読み聞かせを完全に置き換えるものではありません。
音声を聞きながら一緒に絵を見たり、子どもが指差したものに反応したりして、やり取りを加えることが大切です。
言葉の発達に心配がある場合は専門窓口へ相談する
英語絵本は、言葉の発達上の困りごとを改善するための治療や支援ではありません。
日本語を含む言葉の理解や発話、聞こえなどに心配がある場合は、英語絵本だけで対応しようとせず、小児科、自治体の乳幼児健診・発達相談、言語聴覚士などへの相談を検討してください。
幼児向け英語絵本を親子で楽しもう
幼児向け英語絵本は、英語の音やリズム、身近な単語に親しむ機会をつくれるアイテムです。ただし、読み聞かせだけで英語の聞き取りや発音が身につくことを保証するものではありません。
最初は、絵が大きく、短い文章や繰り返しのある絵本を選ぶと取り入れやすくなります。発音に迷うときは、音声付き絵本や音声辞書を補助として使い、日本語を交えながら読んでも構いません。
年齢表示だけでなく、子どもが絵や仕掛けに興味を示すかを見ながら選びましょう。保護者が上手に読むことよりも、親子で無理なく絵本の時間を楽しむことが大切です。

