プリスクールへの入園を検討するとき、月謝以外にどのような費用がかかるのか気になる方も多いでしょう。
プリスクールでは、入園料、教材費、給食費、延長保育料、送迎費、行事費などが別途必要になる場合があります。月謝だけで判断すると、入園後の負担が想定より大きくなるかもしれません。
この記事では、プリスクールで確認したい7つの費用項目を整理します。年間費用の計算方法や幼児教育・保育の無償化についても解説します。
なお、プリスクールの料金や制度上の区分は施設によって大きく異なります。掲載している金額は全国一律の相場ではなく、費用を考えるための目安としてご覧ください。
そもそもプリスクールとはどのような場所なのか
日本で使われる「プリスクール」という名称に、法律上の統一された定義はありません。
一般的には、未就学児を対象として、英語を取り入れた保育や幼児教育を行う施設を指します。ただし、対象年齢、保育時間、使用言語、カリキュラムは施設によって異なります。
認可外保育施設として届け出ている施設もありますが、幼稚園、認可保育所、認定こども園などが英語教育を取り入れ、プリスクールという名称を使用している場合もあります。
入園を検討するときは、名称だけで判断せず、施設の法的な区分や届出状況を確認することが大切です。
幼稚園・保育所との違い
幼稚園は学校教育法に基づく学校で、主に幼児教育を行う施設です。保育所は児童福祉法に基づき、保育を必要とする子どもを預かる児童福祉施設です。
一方、プリスクールには統一された制度上の区分がありません。認可外保育施設として運営されている場合は、園ごとに独自の教育方針やプログラムを設けていることがあります。
主な違いとして確認したいのは、次の項目です。
- 施設の法的な区分
- 対象年齢
- 保育時間と年間開園日数
- 主に使用する言語
- スタッフの資格や配置
- 教育内容
- 利用料金
プリスクールでは英語を使用する時間が長い傾向があります。ただし、英語のみで過ごす園もあれば、日本語と英語を併用する園もあります。
英語保育やイマージョン教育の特徴
プリスクールでは、イマージョン教育と呼ばれる方法を取り入れている場合があります。
イマージョン教育とは、英語を単独の教科として学ぶだけでなく、遊び、食事、制作、読み聞かせなどの活動を英語で行う方法です。
日常生活の中で英語を聞いたり使ったりするため、英語に触れる時間を増やせます。ただし、通園しただけで一定の英語力が身につくとは限りません。
子どもの性格、通園期間、英語に触れる時間、園の教育内容などによって経験には差があります。家庭でどのような言語環境を整えるかも含めて検討しましょう。
プリスクールで確認したい7つの費用項目
プリスクールの費用は、月謝だけでは判断できません。入園前に、次の7項目を確認しましょう。
| 項目 | 主な内容 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 1. 月謝・保育料 | 通常の保育や教育にかかる料金 | 通園日数、保育時間、年間支払回数 |
| 2. 入園時費用 | 入園料、登録料、施設費、保証金など | 返金の有無、毎年必要か |
| 3. 教材・指定用品費 | 教材、制服、バッグ、体操着など | 月謝に含まれているか |
| 4. 給食・おやつ代 | 給食、弁当注文、おやつなど | 1食単位か月額制か |
| 5. 延長保育料 | 通常時間外の預かり料金 | 月極、単発、時間帯別の料金 |
| 6. 送迎費 | スクールバスなどの利用料金 | 運行範囲、片道・往復の違い |
| 7. 行事・保険などの費用 | 遠足、発表会、保険、写真など | 年間予定と追加徴収の有無 |
1. 月謝・保育料
月謝は、プリスクールの費用の中心となる項目です。
料金は、通園日数、保育時間、立地、スタッフの配置、教育内容などによって異なります。週2~3日で通えるコースと、週5日のコースを用意している園もあります。
実際の料金表を見ると、月額数万円台の園から10万円を超える園まで幅があります。インターナショナルスクールの幼児クラスでは、年間授業料が200万円前後になる例もあります。
月謝を確認するときは、金額だけでなく、次の点も確認しましょう。
- 年間授業料を12分割した料金か
- 夏休みや冬休み中も月謝が発生するか
- 欠席時の振替や返金があるか
- 年度途中で料金が変更される可能性があるか
- 税込価格か税別価格か
2. 入園料・登録料・施設費
入園時には、月謝とは別に初期費用が必要になることがあります。
主な項目は次のとおりです。
- 入園料
- 出願料・登録料
- 施設維持費
- 設備費
- 保証金
入園料や登録料は、原則として返金されない場合があります。施設費は入園時だけでなく、半年ごとや年度ごとに請求されることもあります。
保証金が設定されている場合は、退園時の返金条件を確認してください。未納金や備品の破損などがあると、返金額から差し引かれる場合があります。
3. 教材費・制服・指定用品費
教材費には、英語絵本、ワークブック、制作活動の材料などが含まれます。
教材費が月謝に含まれている園もあれば、月額、学期ごと、年度ごとに別途請求される園もあります。
園によっては、次のような指定用品の購入が必要です。
- 制服や体操着
- 指定バッグ
- 帽子
- 上履き
- 水筒や弁当用品
- お昼寝用の寝具
- 鍵盤ハーモニカなどの教材
成長や破損によって買い替えが必要になる場合もあります。初年度だけでなく、進級時の費用も確認しておきましょう。
4. 給食費・おやつ代
食事の対応は、給食、弁当持参、弁当注文、選択制など施設によって異なります。
給食費は月額で請求される場合と、利用した食数に応じて請求される場合があります。おやつ代が月謝や教材費に含まれていることもあります。
| 対応方法 | 特徴 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 給食 | 園が食事を用意する | 月額制か1食単位か |
| 弁当持参 | 家庭で食事を用意する | 持参する曜日や保存方法 |
| 弁当注文 | 希望日に外部業者へ注文する | 注文期限やキャンセル規定 |
| 選択制 | 給食と弁当を選択できる | 曜日ごとに変更できるか |
食物アレルギーがある場合は、対応の可否や除去食の範囲についても事前の確認が必要です。
5. 延長保育料
通常の保育時間を超えて預かりを利用する場合は、延長保育料が必要になることがあります。
料金体系には、主に次のような種類があります。
- 月極で利用する
- 利用日ごとに支払う
- 30分または1時間単位で支払う
- 早朝保育と夕方の延長保育を別々に契約する
利用頻度によっては、単発利用より月極契約のほうが負担を抑えられる場合があります。
延長可能な最終時刻、当日利用の可否、遅刻時の追加料金なども確認しましょう。
6. スクールバスなどの送迎費
スクールバスを利用する場合は、月額または年額の送迎費が必要になることがあります。
料金は、片道か往復か、利用地域、運行日数などによって異なります。兄弟姉妹で利用すると割引される場合もあります。
送迎費と合わせて、次の点を確認してください。
- 自宅付近まで来るか
- 乗降場所が固定されているか
- 欠席時に連絡が必要か
- 長期休暇中も運行するか
- 年度途中でルートが変更される可能性があるか
自家用車で送迎する場合は、駐車場の有無や送迎時間帯の混雑状況も確認しておくと安心です。
7. 行事費・保険料・その他の費用
遠足、発表会、季節行事などで、参加費や衣装代が別途必要になることがあります。
主な追加費用の例は次のとおりです。
- 遠足や園外活動の参加費
- 発表会の衣装代
- 写真や動画の購入費
- 卒園アルバム代
- サマースクールの参加費
- 傷害保険などの保険料
- 保護者会費
- 健康診断に関する費用
行事費が年間施設費に含まれている園もあります。追加徴収の有無と年間行事予定を確認しましょう。
プリスクールの年間費用を計算する方法
年間費用を試算するときは、月謝だけでなく、初期費用や追加費用を含めます。
年間費用=月謝×支払月数+入園時費用+年間費用+毎月の追加費用+行事などの臨時費用
例えば、次の条件で試算します。
- 月謝:8万円
- 支払月数:12か月
- 入園料などの初期費用:10万円
- 施設費・教材費:年間6万円
- 給食・延長保育など:月1万5,000円
- 行事・指定用品など:年間5万円
この場合の初年度費用は、次のようになります。
96万円+10万円+6万円+18万円+5万円=135万円
これは計算方法を示すための一例です。実際の料金は園によって異なります。
2年目以降は入園料が不要になる場合がありますが、進級費用や教材の買い替えが発生することもあります。
プリスクールとインターナショナルスクールの料金の違い
プリスクールとインターナショナルスクールは、名称だけで明確に分けられるとは限りません。
インターナショナルスクールの幼児部をプリスクールと呼ぶ場合もあれば、未就学児のみを対象とする英語保育施設がインターナショナルプリスクールと名乗る場合もあります。
そのため、料金を比較するときは、施設名ではなく次の条件をそろえることが重要です。
- 対象年齢
- 週の通園日数
- 1日の保育時間
- 年間開園日数
- 延長保育の有無
- 給食や送迎の有無
- 入園料や施設費を含めた初年度総額
国際バカロレアなどの国際的な教育プログラムを採用している施設もあります。ただし、プログラムの採用状況だけで施設の良し悪しが決まるわけではありません。
教育方針、子どもへの支援体制、安全管理、スタッフとの相性なども含めて判断しましょう。
年齢や通園頻度によって費用は変わる
プリスクールでは、子どもの年齢や通園頻度によって料金が異なる場合があります。
年齢の低いクラスでは、食事、排せつ、着替えなどの介助が多く必要です。そのため、年齢別に料金を設定している園もあります。
一方で、年齢が上がるほど教材費や活動費が高くなる園もあります。必ずしも低年齢クラスのほうが高いとは限りません。
週2日、週3日、週5日などのコースを選べる場合は、1日当たりの料金も比較しましょう。通園日数が多いコースほど月額は高くなりますが、1日当たりの料金が低く設定されていることもあります。
年度途中で通園日数を変更できるか、変更手数料が必要かについても確認が必要です。
プリスクールで利用できる可能性がある補助制度
プリスクールが一定の要件を満たす認可外保育施設などに該当する場合、幼児教育・保育の無償化の対象になる可能性があります。
ただし、プリスクールという名称だけで自動的に対象になるわけではありません。
幼児教育・保育の無償化の対象条件
認可外保育施設等を利用する場合の主な対象区分は、次のとおりです。
| 対象区分 | 利用料の上限 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 3~5歳児クラス | 月額3万7,000円まで | 保育の必要性の認定など |
| 0~2歳児クラス | 月額4万2,000円まで | 住民税非課税世帯で、保育の必要性の認定など |
3~5歳児クラスの対象期間は、原則として満3歳になった後の最初の4月1日から小学校入学前までです。
認可外保育施設等で無償化を利用するには、一般的に次の条件を確認する必要があります。
- 市区町村から保育の必要性の認定を受けている
- 利用する施設が無償化の対象施設である
- 認可保育所や認定こども園などを利用していない
- 必要な申請や利用料の請求手続きを行っている
対象施設は、都道府県などへの届出や国の基準に関する要件を満たす必要があります。経過措置などが適用される場合もあるため、利用予定の施設と居住する市区町村の両方に確認してください。
制度の詳細は、こども家庭庁の公式情報でも確認できます。
無償化に含まれない費用
幼児教育・保育の無償化は、すべての費用が無料になる制度ではありません。
一般的に、次の費用は無償化の対象外です。
- 給食費や食材料費
- 通園送迎費
- 行事費
- 制服や指定用品の費用
- 教材費
- 施設費
- 保険料
月謝が補助上限額を超える場合は、超えた分を家庭で負担します。
また、支給方法は、施設への直接給付や保護者による償還払いなど、自治体や施設によって異なる場合があります。
自治体独自の助成制度
国の無償化制度とは別に、自治体が認可外保育施設の利用者向け助成を行っている場合があります。
対象年齢、所得制限、補助額、対象施設は自治体によって異なります。年度の途中で制度内容が変更される可能性もあります。
利用を検討するときは、居住する自治体の子育て支援窓口や公式ホームページで最新情報を確認しましょう。
費用だけでなく教育内容や通いやすさも比較する
プリスクールを選ぶときは、料金の安さや英語を使用する時間だけで判断しないことが大切です。
英語で生活する環境では、英語を聞いたり使ったりする機会を増やせます。英語への親しみや、英語で活動する経験につながる可能性があります。
一方で、通園期間や教育内容によって経験には差があります。プリスクールへの通園だけで、発音や会話力が一定の水準に達することを保証するものではありません。
また、二つの言語に触れること自体が、日本語の発達の遅れを意味するわけではありません。子どもの言語発達には、各言語に触れる量や質、家庭での会話、個人差などが関係します。
言葉の発達について心配なことがある場合は、園だけで判断せず、自治体の相談窓口や専門機関へ相談することも選択肢です。
認可保育所と英語の習い事を組み合わせる方法
プリスクール以外にも、認可保育所や幼稚園と英語教室を組み合わせる方法があります。
ただし、認可保育所の利用者負担は、子どもの年齢、世帯の住民税額、自治体、きょうだいの状況などによって異なります。そのため、全国共通の金額でプリスクールと比較することはできません。
| 選択肢 | 特徴 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| プリスクール | 生活や活動の中で英語に触れる時間を確保しやすい | 年間総額、保育時間、教育内容 |
| 幼稚園・保育所+英語教室 | 通常の園生活に英語学習を追加できる | 送迎、レッスン時間、追加料金 |
| 家庭用英語教材 | 家庭の時間に合わせて取り組める | 継続方法、保護者の負担 |
| オンライン英語 | 自宅から利用しやすい | 子どもの集中時間、通信環境 |
英語に触れる時間、集団生活、預かり時間、家庭の予算など、重視する条件を整理して比較しましょう。
入園前に確認したい料金チェックリスト
説明会や見学時には、次の項目を確認すると年間費用を把握しやすくなります。
- 月謝に含まれるサービスは何か
- 入園初年度に必要な総額はいくらか
- 2年目以降も毎年必要な費用はあるか
- 給食費や教材費は別料金か
- 延長保育や送迎を利用した場合はいくらになるか
- 行事ごとの追加徴収があるか
- 長期休暇中も月謝が発生するか
- 途中退園時の返金規定はどうなっているか
- 年度途中に料金が改定される可能性があるか
- 幼児教育・保育の無償化の対象施設か
- 自治体独自の補助を利用できるか
可能であれば、月額料金だけでなく、初年度と2年目以降の年間見積もりを出してもらいましょう。
まとめ|プリスクールの費用は7項目に分けて確認しよう
プリスクールの費用を確認するときは、月謝だけでなく、入園時費用、教材・指定用品費、給食費、延長保育料、送迎費、行事費などを含めて考える必要があります。
料金は施設によって大きく異なるため、全国一律の相場だけで判断するのは難しいでしょう。実際の通園日数や利用するサービスを当てはめ、年間総額を試算することが大切です。
幼児教育・保育の無償化を利用できる可能性もありますが、保育の必要性の認定や対象施設などの条件があります。給食費、送迎費、行事費などは原則として無償化の対象外です。
費用に加えて、教育方針、使用言語、保育時間、安全管理、子どもとの相性も確認しましょう。家庭で優先したい条件を整理し、複数の施設を同じ条件で比較することが、納得できる園選びにつながります。

