「子どもをインターナショナルスクールに通わせたいものの、親が英語を話せないため難しいのでは」と不安に感じる方もいるでしょう。
親の英語力を問わないスクールもありますが、保護者が英語で連絡できることを出願条件とするスクールもあります。そのため、親が英語を話せなくても必ず入学できるとは限りません。
この記事では、親や子どもに求められる英語力、日本語サポートの確認方法、家庭での関わり方などを解説します。学校の法的な区分や、入学前に確認したいポイントも見ていきましょう。
親が英語を話せなくてもインターナショナルスクールに入学できる?
親が英語を話せない場合でも、入学できるインターナショナルスクールやプリスクールはあります。
ただし、入学条件や保護者へのサポートはスクールによって異なります。親の英語力を問わないスクールもあれば、少なくとも保護者の1人が英語で読み書きや会話をできることを求めるスクールもあります。
最初に、次の項目を確認することが大切です。
- 保護者に求められる英語力
- 子どもに求められる英語力
- 日本語で対応してもらえる範囲
- 国籍や過去の在籍校に関する条件
- 面接や英語力の確認方法
保護者の英語力に関する条件はスクールによって異なる
インターナショナルスクールでは、お便りやメール、保護者面談などが英語で行われることがあります。
そのため、保護者のうち少なくとも1人が、英語による連絡を理解できることを入学条件としているスクールもあります。一方、日本語対応スタッフや通訳を配置し、親の英語力を問わないスクールもあります。
公式ホームページに日本語の案内があっても、入学後の連絡がすべて日本語になるとは限りません。見学や問い合わせの際に、実際の対応範囲を確認しましょう。
子どもに求められる英語力は年齢や学年で異なる
子どもに必要な英語力も、スクールや学年によって異なります。
プリスクールや幼児クラスでは、英語初心者を受け入れている場合があります。小学生以上では、英語の確認テストや面接、体験授業などを行うスクールもあります。
中学校や高校の段階では、英語で教科を学ぶための読解力や記述力が求められることがあります。入学時に英語力が足りない場合でも、追加の英語支援を受けられるスクールがありますが、受け入れ人数が限られている場合もあります。
子どもの現在の英語力だけで判断せず、入学後にどのような言語支援を受けられるかも確認しましょう。
入学前に確認したい学校の種類と法的な位置付け
インターナショナルスクールやプリスクールを選ぶ際は、英語教育の内容だけでなく、施設の法的な区分も確認する必要があります。
インターナショナルスクールはすべて同じ学校区分ではない
「インターナショナルスクール」という名称には、法律上の統一された定義がありません。
学校教育法第1条に定められた学校である「一条校」のほか、各種学校として認可された施設や、いずれにも該当しない施設があります。
日本国籍の学齢児童生徒が、一条校ではないインターナショナルスクールに通う場合、原則として法律上の就学義務を履行したことにはなりません。
小学校・中学校の年齢に当たる子どもの場合は、次の項目を学校や教育委員会に確認しましょう。
- 学校教育法上の区分
- 就学義務の取り扱い
- 卒業資格や在籍証明の取り扱い
- 国内の学校へ転校する場合の手続き
- 高校や大学へ進学する際の資格
制度については、文部科学省のインターナショナルスクールと就学義務に関する案内も確認できます。
プリスクールは名称だけで認可状況を判断できない
プリスクールという名称だけでは、施設の認可状況や制度上の区分は判断できません。
認可外保育施設として自治体に届け出ている施設など、運営形態はさまざまです。次の項目を確認しましょう。
- 自治体への届出や認可の状況
- 職員体制や保有資格
- 安全管理や緊急時の対応
- 給食やアレルギーへの対応
- 保育料と追加費用
- 幼児教育・保育の無償化の対象条件
認可外保育施設に関する情報は、自治体の窓口やこども家庭庁の案内で確認できます。
日本語サポートがあるスクールの確認ポイント
親が英語に不安を感じている場合は、日本語を話せるスタッフの有無だけでなく、どの場面で日本語対応を受けられるかを確認しましょう。
日本人スタッフがいるだけで判断しない
日本人スタッフが在籍していても、保護者対応を担当しているとは限りません。
また、入学相談には日本語で対応していても、入学後のお便りや面談は英語のみという場合があります。
次のように具体的に質問すると、対応範囲を確認しやすくなります。
- 日常の連絡を日本語で受け取れるか
- 欠席や遅刻の連絡を日本語でできるか
- 保護者面談に通訳が同席するか
- けがや体調不良の連絡を日本語で受けられるか
- 行事の案内や規則を日本語で確認できるか
- 緊急時に日本語で相談できる窓口があるか
公式ホームページと実際の運用を分けて確認する
公式ホームページやパンフレットに日本語のページがあっても、日常の使用言語は英語という場合があります。
見学や説明会では、入学後に使う連絡アプリやお便りの見本を見せてもらうと、必要な英語力をイメージしやすくなります。
口コミは参考になりますが、対応内容は年度や担当者によって変わる可能性があります。最終的にはスクールへ直接確認しましょう。
英語のお便りや先生との面談に対応する方法
英語でのお便りや面談に不安がある場合でも、翻訳ツールや事前準備を活用できることがあります。
ただし、翻訳結果が常に正しいとは限りません。健康、安全、料金、契約、行事日程などの重要事項は、スクールにも確認しましょう。
翻訳ツールでお便りの概要を確認する
英語のお便りは、画像翻訳やテキスト翻訳を使って概要を確認できます。
| ツール | 主な使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| Google翻訳 | 文章、画像、音声などの翻訳 | 不鮮明な画像や小さな文字は誤訳される場合がある |
| DeepL | 文章やファイル、画像内の文章の翻訳 | 機能は端末や利用プランによって異なる |
| LINE | 通訳用アカウントや文字認識機能の活用 | 使用できる機能や操作方法はバージョンによって異なる |
翻訳ツールへ子どもの氏名や健康状態、家庭状況などを入力する場合は、個人情報の取り扱いにも注意が必要です。スクールが推奨する連絡方法がある場合は、その方法を優先しましょう。
面談前に質問を整理する
先生との面談前には、聞きたいことを日本語で書き出しておきましょう。
日本語のメモと翻訳した英語を並べて用意しておくと、質問を伝えやすくなります。面談前に質問をメールで送れるか確認する方法もあります。
通訳や日本語対応スタッフの同席を希望する場合は、早めにスクールへ相談しましょう。
面談を録音したい場合は、必ず事前に先生の同意を得て、スクールのルールに従ってください。
行事の流れを事前に確認する
発表会や運動会などでは、英語によるアナウンスが中心になる場合があります。
行事の前に、開始時間や集合場所、持ち物、保護者の役割などを確認しておくと安心です。
日本語の案内がない場合は、重要な部分をスクールへ確認したり、ほかの保護者から一般的な流れを聞いたりする方法があります。
家庭で無理に英語を使わずにできるサポート
親が英語を話せなくても、家庭で子どもの学びを支えることはできます。
無理に英語だけで話そうとせず、親子が自然に会話できる言語を大切にしましょう。
家庭では得意な言語で会話を続ける
複数の言語に触れること自体が、直ちに言語発達の遅れを意味するわけではありません。
家庭では、親が気持ちや考えを十分に伝えられる言語を使い、子どもとの会話や読み聞かせを続けることが大切です。
日本語で出来事を詳しく話したり、本を読んだりすることも、語彙や考える力を育てる機会になります。
英語を一緒に楽しむ
家庭でできる取り組みには、次のようなものがあります。
- 英語の歌や動画を一緒に楽しむ
- 音声付きの英語絵本を活用する
- 子どもが覚えた言葉を教えてもらう
- スクールで楽しかったことを聞く
- 英語を間違えても強く否定しない
毎日長時間取り組む必要はありません。子どもの年齢や負担に合わせ、無理なく続けられる方法を選びましょう。
宿題は親だけで抱え込まない
宿題の指示が分からない場合は、翻訳ツールで概要を確認できます。
ただし、課題の意図まで正確に理解できないこともあります。判断に迷う場合は、担任やスクールの相談窓口に確認しましょう。
家庭でどこまで手伝うべきかも、スクールによって方針が異なります。親が答えを教えるのではなく、子どもが自分で取り組める範囲を確認することが大切です。
言語発達が心配な場合は相談する
言葉の発達には個人差があります。また、複数の言語を使う子どもは、それぞれの言語で使う語彙が異なることがあります。
日本語と英語の両方でコミュニケーションの難しさが続く場合や、保護者が強い不安を感じる場合は、スクール、小児科、自治体の発達相談、言語聴覚士などに相談する方法があります。
子どもの英語力に影響する要素
インターナショナルスクールや英語保育に通うだけで、すべての子どもの英語力が同じように伸びるわけではありません。
英語の身につき方には、次のような要素が関係します。
- 通い始めた年齢
- 英語に触れる時間と内容
- スクールの指導方法
- 子どもの興味や性格
- 入学時の言語力
- 通園や通学を続ける期間
- 必要な言語支援を受けられるか
家庭で英語教材を使うことは、英語に親しむきっかけになります。ただし、特定の習慣だけで英語力の向上が保証されるわけではありません。
日本語による会話や読み書きも大切にする
英語環境で学ぶ場合でも、家庭で日本語による会話や読み聞かせを続けられます。
小学校以降もインターナショナルスクールへ通う場合は、日本語の読み書きをどの程度学べるか確認しましょう。
日本語の授業内容や時間数はスクールによって異なります。将来、日本の学校への転校や国内進学を考えている場合は、漢字や作文を含む学習内容も確認が必要です。
インターナショナルスクール以外の選択肢
英語に触れられる教育環境は、インターナショナルスクールだけではありません。
子どもの年齢や性格、通える時間、費用、将来の進路などに合わせて検討しましょう。
| 選択肢 | 一般的な特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| プリスクール・英語保育 | 未就学児が英語に触れながら過ごす | 保育時間、認可状況、日本語対応、安全管理 |
| 英語学童 | 放課後に英語による活動を行う | 利用時間、送迎、宿題対応、英語の使用割合 |
| 英会話教室 | 週に数回、会話や読み書きを学ぶ | レッスン時間、講師、クラス人数、学習目的 |
| イマージョン教育を行う学校 | 教科の一部などを英語で学ぶ | 学校区分、日本語の授業、保護者対応、進路 |
| オンライン英語学習 | 自宅から英語レッスンを受ける | 対象年齢、保護者の補助、通信環境 |
イマージョン教育校も個別の確認が必要
イマージョン教育とは、英語などの学習対象言語を使って、教科や活動を学ぶ教育方法です。
英語と日本語の使用割合や、保護者への日本語対応は学校によって異なります。
イマージョン教育を行っていることだけを理由に、日本語サポートが充実しているとは判断できません。学校の法的区分や授業内容、連絡言語などを個別に確認しましょう。
見学や説明会で確認したいチェックリスト
見学や説明会では、英語教育の内容だけでなく、入学後の生活を具体的に想定して質問しましょう。
- 親に必要な英語力はどの程度か
- 子どもの英語力をどのように確認するか
- 国籍や過去の在籍校に関する条件があるか
- 日本語で連絡できる窓口があるか
- 面談で通訳を依頼できるか
- 緊急時に日本語で連絡を受けられるか
- 英語初心者向けの支援があるか
- 学習面や発達面の支援を受けられるか
- 学校や施設の法的区分は何か
- 国内の学校への転校や進学に影響があるか
- 授業料以外に必要な費用は何か
- 退学や転校時の返金規定はどうなっているか
回答は口頭だけでなく、募集要項や契約書、保護者ハンドブックなどでも確認しましょう。
まとめ|親と子どもに必要な条件をスクールごとに確認しよう
親が英語を話せない場合でも、入学できるインターナショナルスクールやプリスクールはあります。
ただし、保護者に一定の英語力を求めるスクールもあるため、一律に入学できるとは限りません。子どもに必要な英語力も、年齢や学年、スクールの方針によって異なります。
入学前には、日本語サポートの有無だけでなく、実際に日本語で対応してもらえる場面を確認しましょう。
小学生以上の場合は、学校の法的区分や就学義務、卒業資格、将来の進路についても確認が必要です。プリスクールの場合は、自治体への届出や安全管理なども確認しましょう。
家庭では無理に英語だけを使う必要はありません。親子が自然に話せる言語で会話や読み聞かせを続けながら、子どものペースに合わせて英語に親しめる環境を整えることが大切です。

