「プリスクールに興味はあるけれど、費用はどのくらいかかる?」「英語中心の環境で、日本語への影響は大丈夫?」と気になっている方もいるでしょう。
プリスクールには、英語に触れる時間を増やせることや、多様な文化に触れられることなどの魅力があります。一方で、費用や通園環境、日本語で学ぶ機会など、入園前に確認しておきたい点もあります。
この記事では、プリスクールのメリット・デメリットをはじめ、費用の考え方、幼児教育・保育の無償化、見学時のチェックポイントまで解説します。
子どもの性格や家庭の教育方針に合った環境を考えるための参考にしてください。
プリスクールとは?幼稚園・保育所との違いから理解しよう
プリスクールへの入園を検討する場合は、まず施設の特徴や幼稚園・保育所との違いを確認しておくことが大切です。
日本では「プリスクール」という名称に統一された法的な定義があるわけではなく、対象年齢や保育時間、教育内容、認可区分などは施設によって異なります。
プリスクールとはどのような施設か
日本では一般に、未就学児を対象として、英語を取り入れた保育や幼児教育を行う施設を「プリスクール」と呼ぶことがあります。
英語を主なコミュニケーション言語として使用する施設もあれば、日本語と英語を組み合わせたバイリンガル型の施設もあります。対象年齢も1歳前後から受け入れる施設や、2〜5歳程度を中心とする施設などさまざまです。
また、英語環境の中で生活や遊びを行う「イマージョン教育」を取り入れている施設もあります。イマージョンとは、英語を教科として学ぶだけでなく、生活や活動の中で英語に触れる教育方法です。
なお、「プリスクール」という名称自体は、幼稚園や保育所のような法令上の施設区分ではありません。認可外保育施設として運営されている施設など、さまざまな形態があります。
幼稚園・保育所との主な違い
幼稚園は学校教育法に基づく学校であり、保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設です。
一方、プリスクールは名称だけでは法的な位置づけを判断できません。そのため、入園を検討している施設がどのような区分で運営されているのかを個別に確認する必要があります。
一般的な違いとして、次のような点があります。
- 使用言語:プリスクールでは英語中心または日本語と英語の両方を使用する施設があります。
- 施設区分:プリスクールには認可外保育施設として運営されている施設などがあります。
- 教育内容:英語教育や国際理解、独自の教育プログラムに力を入れている施設があります。
- 費用:公的な給付の仕組みが施設によって異なるため、一般的な幼稚園や保育所より負担が大きくなる場合があります。
- 保育時間:短時間のクラスから長時間保育まで施設によって大きく異なります。
名称だけで判断せず、認可区分、保育時間、教育内容、安全管理、費用などを確認することが大切です。
日本のプリスクールの主なタイプ
プリスクールには統一された分類があるわけではありませんが、教育方針や運営スタイルから、便宜上いくつかのタイプに分けて考えることができます。
- インターナショナルスクール系列型:小学校以降のインターナショナルスクールと連携している施設です。内部進学制度の有無は学校によって異なります。
- 英語イマージョン型:生活や遊び、活動の多くを英語で行い、日常的に英語に触れる環境を整えているタイプです。
- バイリンガル型:英語と日本語の両方を取り入れながら保育・教育を行うタイプです。
- 独自教育メソッド型:モンテッソーリ教育などの教育方法と英語環境を組み合わせている施設です。
同じ「プリスクール」という名称でも内容は大きく異なるため、各施設の教育方針を比較することが重要です。
プリスクールで期待できる5つのメリット
プリスクールのメリットは英語に触れられることだけではありません。
ただし、得られる経験や変化には個人差があり、通園するだけで英語力やコミュニケーション能力などが身につくことを保証するものではありません。
英語を日常の中で使う機会が増える
英語を主に使用するプリスクールでは、授業として英語を学ぶだけでなく、遊びや食事、先生や友達との会話など、日常生活の中で英語に触れる時間を確保できます。
歌や絵本、遊びなどを通じて英語の音や表現に繰り返し触れることで、英語に親しむきっかけになるでしょう。
ただし、英語力の伸び方は、通園期間や英語に触れる時間、家庭環境、本人の興味などによって異なります。
さまざまな文化や価値観に触れられる
国際的な教育を取り入れているプリスクールでは、海外の行事や文化、生活習慣などに触れる機会が設けられている場合があります。
施設によっては、異なる言語や文化的背景を持つ子どもやスタッフと関わることもあります。
幼いころからさまざまな考え方や習慣に触れることは、多様な文化について知る機会のひとつになります。
自分の気持ちを伝える経験を積める
プリスクールの中には、子ども同士の対話や発表、グループ活動などを大切にしている施設があります。
自分がやりたいことや考えていることを、言葉や表情、ジェスチャーなどを使って伝える経験を積むことができます。
ただし、こうした教育方針はすべてのプリスクールに共通するものではありません。見学時に、先生と子どもの関わり方や活動内容を確認するとよいでしょう。
子どもの主体性を大切にする教育に触れられる
プリスクールによっては、子どもの興味や「やってみたい」という気持ちを尊重する教育方法を取り入れています。
たとえば、モンテッソーリ教育や、子どもの興味をもとに活動を発展させていくレッジョ・エミリア・アプローチなどを採用している施設があります。
教育方法は施設ごとに大きく異なるため、名称だけで判断せず、実際の活動内容や先生の関わり方を確認しましょう。
国際的な学習環境に慣れる機会になる
将来インターナショナルスクールなどへの進学を検討している場合、プリスクールで英語を使用する生活や学習環境を経験しておくことが、進学後の環境をイメージするきっかけになる場合があります。
また、日本の小学校へ進学する場合でも、幼児期から英語に親しむ経験は、その後の英語学習への興味につながる可能性があります。
ただし、進学後の適応や英語力には個人差があるため、プリスクールへの通園だけで判断することはできません。
プリスクールを選ぶ前に知っておきたい4つのデメリット
プリスクールには魅力がある一方、費用や通園、日本語での学習機会など、事前に確認しておきたい点もあります。
月謝や入園金などの負担が大きくなる場合がある
プリスクールの費用は施設によって大きく異なります。
月謝が5〜15万円程度に設定されている施設もありますが、これは全国一律の公的な相場ではありません。地域、通園日数、保育時間、カリキュラムなどによって金額は変わります。
さらに、入園金、施設費、教材費、給食費、送迎費、延長保育料などが必要になる場合があります。
月謝だけでなく、1年間に必要となる総額を確認しておくことが重要です。
日本語で学ぶ機会も確認する必要がある
英語中心のプリスクールに通うこと自体が、日本語の発達を遅らせるとは一概にいえません。
一方で、日本語で読み書きをする時間が少ない施設では、日本の小学校への進学を予定している家庭が、日本語に触れる機会について確認しておきたい場合があります。
たとえば、日本語での読み聞かせや会話を家庭で大切にしたり、必要に応じてひらがななどに触れる機会を設けたりする方法があります。
プリスクール側で日本語教育を取り入れている場合もあるため、カリキュラムを確認してみましょう。
通園距離や保育時間が家庭に合わない場合がある
希望する教育内容のプリスクールが自宅の近くにあるとは限りません。
毎日の送迎が必要な場合、通園時間が長くなることで子どもや保護者の負担になることがあります。
また、一般的な保育所とは開園時間や長期休暇の扱いが異なる場合もあります。
共働き家庭では、送迎方法、延長保育、夏休みなどの長期休暇、仕事との両立が可能かどうかも確認しておきましょう。
進学先によって環境が大きく変わる場合がある
プリスクールから日本の小学校へ進学する場合、使用する言語や授業の進め方、生活習慣などが変わる可能性があります。
一方、インターナショナルスクールへ進学する場合でも、学校によって入学条件や英語力の基準、カリキュラムは異なります。
プリスクールを選ぶ段階から、その後にどのような進路を考えているのかを家庭で整理しておくとよいでしょう。
プリスクールがわが子に合っているか確認するポイント
プリスクールが合うかどうかは、子どもの性格だけで単純に判断できるものではありません。
家庭の教育方針、通園環境、子どもの様子などを総合的に確認することが大切です。
家庭の教育方針と合っているか
「幼児期から英語に触れる時間を増やしたい」「将来はインターナショナルスクールも検討している」など、家庭の教育方針が明確な場合は、プリスクールが選択肢のひとつになります。
一方で、英語だけでなく日本語教育、外遊び、生活習慣、集団生活など、家庭が重視する内容によって適した施設は変わります。
英語を使う時間の長さだけではなく、園がどのような子どもの育ちを大切にしているのかを確認しましょう。
子どもが安心して過ごせる環境か
教育内容が魅力的でも、子どもが安心して過ごせる環境であることが重要です。
体験入園や見学の機会がある場合は、先生がどのように子どもに声をかけているか、困ったときにどのように支援しているかなどを確認してみましょう。
英語が初めての子どもへの対応や、泣いたとき・困ったときのフォロー体制も確認しておくと安心です。
プリスクールにかかる費用の目安を確認しよう
プリスクールを検討する際は、月謝だけではなく、入園から1年間にかかる総額を確認することが重要です。
月謝・入園金・教材費などを確認する
プリスクールでは、主に次のような費用がかかる場合があります。
- 入園金:入園時に支払う費用
- 月謝・保育料:毎月の基本的な利用料
- 教材費・活動費:教材やイベント、教育活動などにかかる費用
- 施設維持費:施設運営のために必要となる費用
- 制服・用品代:制服、バッグ、教材などの購入費
- 給食費:昼食やおやつなどにかかる費用
- 送迎費:スクールバスなどを利用する場合の費用
- 延長保育料:基本時間を超えて利用する場合の費用
月謝だけを見ると予算内でも、年間で計算すると負担が大きくなる場合があります。
料金表を確認するときは、初年度に必要な金額と2年目以降の金額を分けて確認すると分かりやすいでしょう。
幼児教育・保育の無償化を利用できる場合がある
認可外保育施設として運営されているプリスクールでも、条件を満たせば幼児教育・保育の無償化の対象になる場合があります。
認可外保育施設等を利用する3〜5歳児クラスの場合、保護者が市区町村から「保育の必要性の認定」を受けるなどの条件を満たすと、月額3.7万円を上限として施設等利用費の給付対象となる場合があります。
0〜2歳児クラスについては、住民税非課税世帯など別の条件があります。
また、すべてのプリスクールが無償化の対象になるわけではありません。利用を検討している施設が対象施設となっているか、お住まいの市区町村や施設に確認することが大切です。
自治体独自の助成制度が設けられている場合もあります。制度内容は地域によって異なるため、最新情報を自治体のホームページや窓口で確認しましょう。
入園前に確認したい見学チェックリスト
プリスクールを選ぶ際は、ウェブサイトやパンフレットだけでは分からないこともあります。
見学や説明会、体験入園などを利用して、実際の保育・教育環境を確認してみましょう。
見学・体験入園で確認したい項目
- 英語を使う割合:1日のうち、どの程度英語を使用しているかを確認します。
- 英語が初めての子どもへの対応:英語が分からない場合に、どのようにサポートしているかを確認します。
- スタッフの体制:保育や幼児教育の経験、資格、英語で活動を行う体制などを確認します。
- 先生と子どもの関わり:子どもへの声かけや困ったときのフォロー方法を確認します。
- クラス人数:子どもの人数やスタッフ配置などを確認します。
- 日本語への対応:日本語教育の有無や、保護者への日本語での連絡が可能かを確認します。
- 安全管理:緊急時、災害時、けがや体調不良時の対応方法を確認します。
- 施設の運営状況:認可外保育施設の場合は、自治体への届出状況や指導監督状況などを確認します。
- 無償化の対象:幼児教育・保育の無償化を利用したい場合は、対象施設かどうかを確認します。
- 保育時間・休園日:延長保育や長期休暇を含め、家庭の生活スタイルと合うかを確認します。
- 費用総額:月謝以外に必要となる費用を含め、年間でどの程度かかるかを確認します。
複数の施設を比較すると、教育内容や雰囲気、費用、通いやすさなど、自分たちの家庭で重視したい条件が整理しやすくなります。
まとめ|プリスクールのメリット・デメリットを理解して子どもに合った環境を選ぼう
プリスクールには、日常生活の中で英語に触れられることや、さまざまな文化や教育方法に触れる機会があることなどのメリットがあります。
一方で、費用の負担、通園環境、日本語で学ぶ機会、進学先との違いなど、入園前に確認しておきたい点もあります。
また、「プリスクール」という名称だけでは、認可区分や教育内容、英語を使用する割合などは判断できません。施設ごとに運営形態やカリキュラムが異なるため、個別に確認することが重要です。
英語環境が子どもに合うかどうかも一人ひとり異なります。英語力だけで判断するのではなく、子どもが安心して過ごせるか、家庭の教育方針や生活スタイルに合っているかという視点も大切にしましょう。
費用や無償化制度、教育内容、安全管理、通園しやすさなどを比較し、必要に応じて候補となる園を見学しながら、家庭に合った環境を検討してみてください。

