モンテッソーリ教育を取り入れたインターナショナルスクールに興味はあるものの、「費用や入園条件がわからない」「英語ができなくても通えるのか不安」と感じている保護者の方もいるのではないでしょうか。
モンテッソーリ教育や英語環境の取り入れ方、入園条件、費用はスクールによって異なります。そのため、教育方針だけでなく、実際のカリキュラムや施設区分、料金などを確認して選ぶことが大切です。
本記事では、モンテッソーリ教育を取り入れたインターナショナルスクールの特徴やカリキュラム、費用の考え方、入園までの一般的な流れをわかりやすく解説します。
モンテッソーリ教育とインターナショナルスクールを組み合わせた教育とは
モンテッソーリ教育を取り入れ、英語を主なコミュニケーション言語としているインターナショナルスクールがあります。
子どもの自主的な活動を大切にするモンテッソーリ教育と、日常的に英語に触れられる環境を組み合わせていることが特徴です。
ただし、「インターナショナルスクール」という名称の施設は、教育内容や法的な位置づけ、使用言語などが一律ではありません。スクールごとの特徴を確認することが重要です。
モンテッソーリ教育の基本的な考え方と歴史的背景
モンテッソーリ教育は、20世紀初頭にイタリア人医師・教育者のマリア・モンテッソーリが発展させた教育法です。
子どもが自ら活動を選び、興味や発達段階に応じて学べるように、周囲の環境を整えることを重視しています。
大人がすべてを一方的に教えるのではなく、子どもの様子を観察し、必要に応じて活動や教具を紹介しながら自発的な学びを支えるのが特徴です。
現在では世界各地で実践されており、モンテッソーリ教育と子どもの学習面・非学習面の発達との関係についても、さまざまな研究が行われています。ただし、得られる成果には教育環境や子どもの状況などによる違いがあります。
インターナショナルスクールでモンテッソーリを学ぶ特徴
英語を主な使用言語とするスクールでは、モンテッソーリの活動を英語で経験できることがあります。
たとえば、教具を使った活動をしながら英語の言葉に触れたり、教師や友達とのやり取りの中で英語を使ったりする機会があります。
英語を単独の教科として学ぶだけでなく、日常生活や活動の中で使う経験を積める点は、このようなスクールの特徴のひとつです。
ただし、英語に触れる時間や使用する言語の割合はスクールによって異なります。英語のみで生活するスクールもあれば、日本語を併用するスクールもあります。
日本国内でもさまざまなスクールがある
日本国内にも、モンテッソーリ教育と英語教育を組み合わせたプリスクールやインターナショナルスクールがあります。
ただし、インターナショナルスクールには全国共通の教育内容が定められているわけではありません。
幼稚園、認定こども園、認可外保育施設、各種学校など、施設の位置づけもそれぞれ異なる場合があります。
そのため、「インターナショナルスクール」という名称だけで判断せず、教育方針、施設区分、対象年齢、保育時間、使用言語などを個別に確認することが大切です。
モンテッソーリ教育を導入したインターナショナルスクールの特徴
モンテッソーリ教育を導入したスクールでは、子ども自身が活動を選び、一定の時間集中して取り組める環境を整えていることが一般的です。
一方で、具体的なカリキュラムや英語の使用割合、集団活動の取り入れ方などはスクールごとに異なります。
子どもの発達を捉える「敏感期」という考え方
モンテッソーリ教育には、「敏感期」という考え方があります。
敏感期とは、子どもが発達の過程で、言語、秩序、運動、感覚など特定のものに強く興味を示し、繰り返し取り組もうとする時期を捉えた考え方です。
ただし、興味が現れる時期や強さには個人差があるため、「何歳になれば必ずこの活動に興味を持つ」と決まっているわけではありません。
教師は子どもの様子を観察し、その時期の興味や発達に適した活動に取り組みやすい環境を整えます。
英語環境の中で活動する機会がある
英語を主な使用言語とするスクールでは、モンテッソーリ活動そのものを英語で経験します。
教師から活動の説明を聞いたり、必要なことを伝えたり、友達とやり取りしたりする中で、英語を使用する機会が増えます。
ただし、英語環境に通えば誰でも同じペースで英語を身につけられるわけではありません。言語習得のペースには、年齢、通園時間、家庭で使う言語、本人の経験などによる個人差があります。
一般的な幼稚園・保育園との違いはスクールごとに確認する
モンテッソーリ教育では、子どもが自分で活動を選ぶ時間や、一人ひとりの発達に応じた教具を使う活動が重視されます。
一方、日本の幼稚園や保育園でも、子どもの主体性や自発的な遊びを大切にする教育・保育が行われています。そのため、「一般的な園は一斉指導、モンテッソーリは自主活動」と単純に分けることはできません。
モンテッソーリスクールを比較するときは、次のような点を確認するとよいでしょう。
- 活動の選び方:子ども自身が活動を選べる時間がどの程度あるか
- 教師の関わり方:子どもを観察しながら必要な援助や教具の提示を行っているか
- 活動内容:年齢や発達、興味に応じた活動が用意されているか
- 使用言語:英語のみか、日本語なども併用するか
- 成長の共有方法:観察記録や面談など、保護者へどのように伝えているか
名称だけで判断せず、実際の保育・教育環境を見学して確認することが大切です。
モンテッソーリ教育のインターナショナルスクールのカリキュラム内容
幼児期のモンテッソーリ教育では、日常生活、感覚、言語、数学、文化などの領域を中心に、さまざまな活動が用意されています。
これらは全員が同じ順番で進めるものではなく、子どもの発達や興味、これまでの経験などに合わせて取り組んでいきます。
日常生活の練習・感覚教育・言語教育
「日常生活の練習」では、水を注ぐ、物を運ぶ、着替える、片づけるなど、生活の中にある動作を活動として取り入れます。
自分で身の回りのことに取り組む経験や、手や身体を使って丁寧に活動する経験につながります。
「感覚教育」では、色、形、大きさ、長さ、重さ、音などの違いに注目できるように設計された教具を使用します。
「言語教育」では、会話や語彙、文字、読み書きなどに関する活動が、子どもの発達や関心に応じて提示されます。
英語を主に使用するスクールの場合は、これらの活動を通して英語の言葉や表現に触れる機会も生まれます。
数学・文化などの活動
モンテッソーリ教育では、数学や文化に関する活動も、具体物や体験を取り入れながら行います。
- 数学:数棒やビーズなどを使い、数量や数の仕組みに触れる
- 文化:地理、歴史、生物、自然、音楽、芸術など幅広いテーマに触れる
- 自然・科学:植物や動物、季節など身近な自然に関心を広げる
具体的な教材や活動内容は、年齢やスクールの教育方針によって異なります。
英語を主な使用言語とする学習環境
インターナショナルスクールの中には、教師との会話や日常生活、モンテッソーリ活動を英語で行うスクールがあります。
英語を「勉強する時間」だけではなく、日常的なコミュニケーションに使えることが特徴です。
一方、英語と日本語を併用するスクールもあるため、見学時には「1日のうち、どの程度英語を使うのか」「日本語でのサポートがあるか」などを確認するとよいでしょう。
入園前に確認しておきたい費用と入園条件
モンテッソーリ教育を取り入れたインターナショナルスクールを検討する際は、授業料だけでなく、入学金や施設費などを含めた年間費用を確認することが重要です。
また、入園条件や無償化制度の対象になるかどうかも施設によって異なります。
月謝・入学金・諸費用はスクールによって大きく異なる
モンテッソーリ教育を取り入れたインターナショナルスクールには、全国共通の料金基準はありません。
幼児向けプログラムでは月額数万円台から設定されているスクールがある一方、年間授業料が100万円を超えるスクールや、200万〜300万円台になるスクールもあります。
授業料以外にも、次のような費用が必要になる場合があります。
- 入学金・登録料
- 施設費
- 教材費
- 給食費
- 制服・用品費
- スクールバス代
- 延長保育料
- サマースクールなどの特別プログラム費
スクールを比較するときは、月謝だけを見るのではなく、1年間に必要となる総額を確認しましょう。
幼児教育・保育の無償化は施設区分などによって異なる
インターナショナルスクールで幼児教育・保育の無償化を利用できるかどうかは、施設の区分や家庭の状況などによって異なります。
たとえば、無償化の対象となる認可外保育施設などを利用する3〜5歳児クラスでは、所定の条件を満たした場合に月額3.7万円までが無償化の対象となります。
ただし、認可外保育施設等の場合は、市区町村から「保育の必要性の認定」を受けることなどが必要です。また、対象施設にも要件があります。
「インターナショナルスクールだから対象になる・ならない」と名称だけで判断することはできません。入園前にスクールと居住する市区町村の窓口へ確認しましょう。
入園時に求められる英語力と年齢
入園時の英語力に関する条件はスクールによって異なります。
幼児クラスでは英語経験を問わないスクールもありますが、年齢やクラスによっては、面談や体験、言語面を含めた確認を行う場合があります。
対象年齢についても、1歳前後から受け入れるスクールや、2〜3歳から始まるスクール、3〜6歳を中心とするスクールなどさまざまです。
また、生活面の自立度などについて独自の入園条件を設けている場合もあるため、募集要項を確認してください。
見学・面談・願書提出など入園までの一般的な流れ
具体的な入園手続きはスクールごとに異なりますが、一般的には次のような流れがあります。
- 情報収集:公式サイトなどで教育方針、対象年齢、費用、募集時期を確認する
- 見学・説明会:教室環境や教師の関わり方、使用言語などを確認する
- 体験・観察:スクールによっては体験参加や子どもの観察を行う
- 面談:家庭の教育方針や子どもの状況について確認する
- 願書・必要書類の提出:スクールが指定する書類を提出する
- 入園手続き:選考結果を確認し、必要な費用の納付や入園準備を行う
人気のあるクラスではウェイティングリストが設けられる場合もあります。希望する時期が決まっている場合は、早めに募集時期を確認しておくと安心です。
モンテッソーリ教育のインターナショナルスクールを選ぶときの着眼点
スクールを選ぶ際は、費用や立地だけでなく、モンテッソーリ教育の実践方法や教師の研修状況、英語環境、子どもとの相性などを確認することが大切です。
AMIやAMSなどの研修を受けた教師が在籍しているか確認する
教師がどのようなモンテッソーリ教育の研修を受けているかは、スクールを比較するときの重要な確認項目のひとつです。
代表的な団体には、次のようなものがあります。
- AMI(Association Montessori Internationale):マリア・モンテッソーリが1929年に設立した国際的なモンテッソーリ団体
- AMS(American Montessori Society):モンテッソーリ教師養成プログラムの認定やクレデンシャルの発行などを行う米国の団体
ただし、モンテッソーリ教育に関する研修・資格はAMIとAMSだけではありません。
資格名だけでスクールの質を判断するのではなく、見学時には教師がどのように子どもを観察し、活動を紹介し、必要な援助を行っているかも確認しましょう。
子どもの気質や個性に合った環境か確認する
教育方法との相性は、子どもの性格やこれまでの経験、家庭の考え方などによって異なります。
モンテッソーリ教育では一人で集中して活動する時間もありますが、友達との交流や集団活動の取り入れ方はスクールによって異なります。
見学や体験の機会があれば、次のような点を確認しましょう。
- 子どもが落ち着いて過ごせそうか
- 教師が子どもの様子を丁寧に見ているか
- 活動を無理に強制していないか
- 教室の環境や教具が整えられているか
- 困ったときに教師へ助けを求められる環境か
「この環境でわが子が安心して過ごせそうか」という視点を持つことが大切です。
保護者がスクールの教育方針に納得できるか確認する
スクールと家庭の教育方針が完全に同じである必要はありませんが、基本的な考え方を理解しておくことは大切です。
特に、自分で取り組む時間をどの程度重視するのか、教師がどこまで手助けするのか、英語と日本語をどのように扱うのかなどは、スクールによって違いがあります。
説明会や面談では、スクール側の教育方針を聞くだけでなく、家庭で疑問に感じていることも確認しましょう。
入園後に保護者が感じやすい変化と向き合い方
入園後は、スクールでの活動を通して子どもの興味や行動に変化が見られることがあります。
一方、慣れるまでに時間がかかったり、家庭とは異なる姿を見せたりすることもあります。気になることがあれば、スクールと情報を共有しながら見守ることが大切です。
家庭でも子ども自身が取り組める機会をつくる
モンテッソーリ教育では、子どもが自分でできることに取り組む経験を大切にします。
家庭でも、着替えや片づけ、食事の準備など、年齢や発達に応じて自分で取り組める機会をつくることができます。
子どもが自分で靴を履こうとしているときなどは、安全や時間に余裕がある範囲で見守る方法もあります。
ただし、家庭でスクールとまったく同じ方法を再現する必要はありません。生活リズムや家庭の事情に合わせ、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
子どもの成長ペースに不安を感じたときの考え方
子どもの興味や発達のペースには個人差があります。
ある時期には言葉に強く興味を持ち、別の時期には数字や身体を使った活動に集中することもあります。
他の子どもとの違いだけで判断せず、以前の本人と比べてどのような変化があるかを見ることも大切です。
気になることがある場合は、教師にスクールでの様子を聞き、家庭での様子も共有してみましょう。
保護者同士の交流についても確認する
スクールによっては、行事、保護者会、交流イベントなどを設けている場合があります。
保護者同士で情報交換できることをメリットと感じる方がいる一方、交流の頻度や参加方法はスクールによって異なります。
保護者同士の交流を重視したい場合は、見学時にイベントの頻度や保護者参加の必要性なども確認するとよいでしょう。
モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れる方法
モンテッソーリ教育の考え方の一部は、家庭生活にも取り入れられます。
専用の教具をそろえることだけがモンテッソーリ教育ではありません。子どもが自分で取り組みやすい環境を整え、必要以上に手を出さずに見守ることも基本的な考え方のひとつです。
日常の中で自分でできる環境を整える
家庭では、子どもの年齢や発達に合わせて、自分でできることを増やせる環境を考えてみましょう。
- 子どもが自分で取り出せる高さに本やおもちゃを置く
- 使ったものを戻す場所をわかりやすくする
- 食事の準備や片づけなどを、できる範囲で一緒に行う
- 着替えや身支度に自分で取り組める時間をつくる
すべてを一人でさせる必要はありません。難しい部分は大人が手伝いながら、「自分でやってみたい」という気持ちを尊重することが大切です。
市販の知育教材を活用するときの考え方
モンテッソーリ教育で使用される教具には、それぞれ目的や提示方法があります。そのため、市販の知育教材を使えばモンテッソーリ教具と同じ教育効果が得られるとは限りません。
ただし、家庭で教材やおもちゃを使う際に、モンテッソーリ教育の考え方を参考にすることはできます。
- 一度に多く出しすぎない:子どもが選びやすい量に整理する
- 完成を急かさない:自分のペースで試せる時間をつくる
- すぐに答えを教えすぎない:安全を確保しながら試行錯誤を見守る
- 繰り返しを尊重する:興味を持って繰り返している活動は、可能な範囲で続けられるようにする
教材そのものより、子どもの興味や発達に合わせて環境を整えるという考え方を意識すると、家庭でも取り入れやすくなります。
まとめ|モンテッソーリ教育とインターナショナルスクールを比較して選ぼう
モンテッソーリ教育を取り入れたインターナショナルスクールでは、子どもが自分で活動を選ぶ環境と、日常的に英語を使う環境を組み合わせている場合があります。
一方で、使用言語、カリキュラム、入園条件、教師の研修内容、費用などはスクールによって大きく異なります。
特に費用については全国共通の相場があるわけではなく、年間100万円を超えるスクールや、さらに高額になるスクールもあります。幼児教育・保育の無償化についても、施設区分や家庭の状況、自治体による認定などによって対象が異なるため、事前確認が必要です。
スクール選びでは、教師の研修・資格だけでなく、実際の子どもへの関わり方、英語の使用割合、子どもとの相性、保護者が教育方針に納得できるかなどを総合的に確認しましょう。
気になるスクールがあれば、公式の募集要項や料金表を確認したうえで、見学や説明会を利用して実際の環境を確かめることが大切です。

