「自分が英語を苦手だから、子どもには楽しく学んでほしい」
「家庭では、どのように英語を取り入れればよいのだろう」
このように悩んでいる保護者もいるのではないでしょうか。子どもが英語に親しむために、保護者が流ちょうに話す必要はありません。歌や絵本など、身近な遊びから始められます。
この記事では、家庭でできる4つの遊び方を紹介します。英語への興味を妨げやすい接し方も確認していきましょう。子どもの興味や発達には個人差があります。無理に続けず、楽しめる範囲で取り入れることが大切です。
子どもが英語に親しむメリット
幼児期には、遊びや生活の中でさまざまな音や言葉に触れます。英語も勉強として押し付けるのではなく、楽しい体験として取り入れることがポイントです。ここでは、英語に親しむことで期待できることを紹介します。
英語の音や表現に興味を持つきっかけになる
歌や絵本を通して、子どもは日本語とは異なる音やリズムに触れられます。繰り返し聞くうちに、好きな言葉をまねすることもあるでしょう。
ただし、触れた期間だけで英語力が決まるわけではありません。興味の持ち方や覚える速さは、子どもによって異なります。まずは「英語に触れる時間は楽しい」と感じられる環境を目指しましょう。
異なる文化への関心につながる
海外の絵本や歌には、日本とは異なる生活や行事が登場します。英語を入り口として、さまざまな文化に関心を持つこともあるでしょう。例えば、次のような楽しみ方が考えられます。
- 海外の食べ物が登場する絵本を読む
- 世界の子ども向けの歌を聞く
- 国ごとの行事や動物について調べる
「自分たちと違うところ」を親子で話すのもよいでしょう。
ただし、英語を学ぶだけで多様性への理解が深まるとは限りません。日頃の会話や体験と組み合わせることが大切です。
言葉を使ってやり取りする楽しさを経験できる
簡単な英語を使って、親子でやり取りを楽しむこともできます。「Hello」「Thank you」など、短い言葉から始めてみましょう。
言葉が通じた経験は、英語への関心につながる場合があります。一方で、人前で話すことを好まない子どももいます。無理に発言を求める必要はありません。声に出さず、聞いたり指を差したりする楽しみ方も尊重しましょう。
家庭で子どもが英語を楽しむ4つの遊び方
幼児期の英語は、机に向かう学習だけが方法ではありません。文部科学省の幼稚園教育要領でも、幼児の自発的な遊びを通した学びが重視されています。ここでは、家庭で取り入れやすい4つの方法を紹介します。
英語の歌を一緒に楽しむ
英語の歌は、家庭で始めやすい方法の一つです。手拍子をしたり、体を動かしたりすると、遊びとして楽しめます。
保護者が正確に発音できなくても、過度に心配する必要はありません。音源を聞きながら、一緒にまねしてみましょう。子どもが歌わないときは、聞くだけでも構いません。参加を強制せず、その日の気分に合わせてください。
海外のアニメを親子で見る
子ども向けの短いアニメを英語音声で見る方法もあります。映像があるため、すべての言葉が分からなくても内容を想像できます。
ただし、映像を流すだけで英語が身につくとは限りません。「楽しそうだね」「Dogがいたね」など、親子でやり取りを加えてみましょう。人との交流を伴う体験は、言葉への関心を支える可能性があります。子どもが飽きたときは、途中で終えても問題ありません。
英語の絵本を読み聞かせる
英語の絵本も、親子で楽しみやすい教材です。初めは、文章が短く、絵が大きい本を選びましょう。次のような絵本は、幼児にも取り入れやすい傾向があります。
- 同じ言葉が繰り返し登場する本
- 動物や食べ物が描かれた本
- 仕掛けや音を楽しめる本
発音が不安な場合は、音声付きの絵本を活用できます。途中で日本語を交えても構いません。内容を一緒に楽しむことを優先しましょう。
ゲーム感覚のアプリを活用する
英語の音や単語に触れられるアプリもあります。子どもの年齢や操作のしやすさに合ったものを選びましょう。広告や課金、個人情報の取り扱いも確認が必要です。
利用時間は、年齢に応じた公的な目安も参考にしながら、睡眠や運動、親子の会話を妨げない範囲でルールを決めましょう。食事中や就寝前の使用を控えるなど、家庭の生活に合わせて調整することも大切です。
できるだけ保護者も一緒に画面を見て、内容について話しましょう。
子どもが英語を楽しむための親の接し方
教材の種類だけでなく、保護者の接し方も大切です。すぐに覚えさせようとせず、子どもの反応を見ながら進めましょう。
保護者も一緒に楽しむ
保護者が笑顔で参加すると、子どもも安心して取り組みやすくなります。英語が苦手であっても、分からない言葉を一緒に調べられます。「一緒にやってみよう」と声をかけ、保護者も学ぶ姿を見せてみましょう。
ただし、保護者が楽しんでいても、子どもが同じく興味を持つとは限りません。その日の様子に合わせることが重要です。
結果よりも取り組んだことを認める
単語を覚えたかどうかだけで評価しないようにしましょう。歌を聞いたり、絵本を開いたりしたことも一つの経験です。「一緒に聞けて楽しかったね」など、具体的に声をかけてみてください。
褒めることを負担に感じる子どももいます。反応を見ながら、自然な声かけを心がけましょう。
日本語への翻訳を無理に求めない
英語に触れるたびに、日本語の意味を答えさせる必要はありません。絵や動作を使い、言葉と意味を結び付ける方法もあります。
ただし、日本語を使ってはいけないわけではありません。子どもが意味を知りたがったときは、日本語で分かりやすく説明しましょう。「英語だけで考えなければならない」と決めつけないことが大切です。
日常の中で簡単な英語を使う
毎日の生活に、短い英語を取り入れる方法もあります。朝は「Good morning」、食事の前は「Let’s eat」など、簡単な言葉で十分です。
「赤いりんごだね。Redだね」と、日本語と組み合わせても構いません。保護者が間違えたときは、一緒に調べてみましょう。正しさだけでなく、言葉を楽しむ姿勢を大切にしてください。
子どもが英語に親しむ過程で避けたいNG行動
英語に触れる時間を増やそうとして、子どもに負担をかけることがあります。次のような接し方は、できるだけ避けましょう。
無理に勉強をさせる
子どもが別の遊びを楽しんでいるときに、中断させて英語をさせるのは避けましょう。「毎日必ず取り組む」と決めると、親子ともに負担になる場合があります。
興味を示さない日は、英語から離れて構いません。短時間でも楽しく終えられることを優先しましょう。
間違いを繰り返し指摘する
発音や単語の間違いを、毎回厳しく直す必要はありません。間違いを恐れると、声に出すことをためらう場合があります。
例えば、子どもの発音が異なっていても、否定せずに正しい言葉を返してみましょう。「違う」と指摘するより、会話の中で自然に聞かせる方法があります。
ほかの子どもと比較する
兄弟や友達と、覚えた単語数を比べないでください。興味を持つ時期や学び方は、一人ひとり異なります。「前より歌を聞くようになったね」など、その子自身の変化に目を向けてください。
目立った変化がなくても、焦る必要はありません。
嫌がる様子を無視する
顔を背ける、別の遊びを始めるなどの様子が見られたら、一度休みましょう。嫌がっている状態で続けると、負担を感じる場合があります。
「今日はここまでにしよう」と終えることも大切です。別の日に、違う歌や絵本を試してみてもよいでしょう。
家庭以外で英語に触れる環境の選び方
家庭での遊びに慣れたら、英語教室などを検討する方法もあります。ただし、教室に通うだけで英語が好きになるとは限りません。子どもの性格や興味、家庭の負担を踏まえて選びましょう。
子どもが安心して参加できるか確認する
グループ活動を楽しめる子どももいれば、少人数を好む子どももいます。体験できる場合は、教室の雰囲気や子どもの反応を確認しましょう。
参加を嫌がるときは、すぐに入会を決める必要はありません。活動時間や人数、保護者の付き添いの有無も確認してください。
講師の国籍だけで判断しない
英語を使う人と直接関わることは、会話を楽しむきっかけになります。ただし、ネイティブスピーカーであることだけで、指導の質は決まりません。
幼児への指導経験や子どもとの相性も重要です。困ったときの対応や、日本語による保護者への説明についても確認しましょう。
プリスクールの内容を比較する
プリスクールは、施設によって英語を使う時間や保育内容が異なります。「一日中英語」と案内されていても、具体的な運営方法を確認しましょう。次のような項目が比較のポイントです。
- 英語と日本語を使う割合
- 職員の配置や安全管理
- 子どもが困ったときの支援方法
- 料金や通園にかかる負担
英語力だけでなく、子どもが安心して過ごせるかを見ることが大切です。
インターナショナルスクールは制度も確認する
インターナショナルスクールには、さまざまな運営形態があります。名称だけで、認可状況や教育内容を判断することはできません。将来の就学先として検討する場合は、学校や施設の制度上の位置づけも確認しましょう。
特に日本国籍の学齢児童については、学校教育法第1条に定める学校、いわゆる「一条校」として認められていないインターナショナルスクールへの就学だけでは、法律上の就学義務を履行したことにはなりません。小学校以降の進路として検討する場合は、学校の制度上の位置づけや進学条件を事前に確認することが重要です。
教育課程、使用言語、進路、日本語学習への対応なども確認し、家庭の教育方針と合っているか十分に比較してください。
英語遊びを家族で続けるためのポイント
英語を取り入れる目的は、家庭によって異なります。上達だけを目標にせず、親子で過ごす時間として楽しむ考え方もあります。
保護者も無理をしない
毎日英語に触れさせようとすると、保護者の負担が増える場合があります。忙しい日は、英語の歌を1曲聞くだけでも構いません。
できなかった日があっても、遅れたと考える必要はないでしょう。生活に合わせて、続けやすい方法を選んでください。
家族で楽しめる方法を探す
歌、絵本、カードゲームなど、家族が楽しめる方法を試しましょう。子どもによって、興味を持つものは異なります。
同じ教材を長く使う子どももいれば、頻繁に変えたがる子どももいます。反応を見ながら、無理のない方法を探してください。
会話のきっかけとして取り入れる
英語をきっかけに、親子の会話が生まれることもあります。「この動物は何かな」「どの歌が好き?」など、日本語で話しても問題ありません。
英語だけを使うことにこだわらず、子どもの発見を共有しましょう。英語を親子のコミュニケーションに役立てる方法の一つです。
まとめ|子どもが英語を楽しめる習慣を始めよう
子どもが英語に親しむためには、楽しい遊びとして取り入れることがポイントです。まずは歌、アニメ、絵本、アプリなどから、興味を示すものを試してみましょう。
保護者が流ちょうに英語を話せなくても問題ありません。一緒に聞いたり調べたりすると、英語を身近に感じるきっかけを作れます。
ただし、英語への興味や学習の進み方には個人差があります。無理に続けることや、ほかの子どもと比べることは避けましょう。嫌がるときは休み、別の日に改めて試すことが大切です。
家庭以外の教室やプリスクールを利用する場合は、英語を使う時間だけで判断しないようにしてください。子どもが安心して参加できるか、指導内容や安全面を確認しましょう。
まずは親子で好きな英語の歌を1曲選び、気軽に聞くことから始めてみてください。

